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家づくりコラム

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2024.07.11

畳数で選ぶのは間違い? プロが解説 賢いエアコンの選び方

こんにちは!
価格と性能を両方真面目に考える北九州の「地元で生まれ地元で育った工務店」
ハゼモト建設より家づくりの役に立つ家づくりコラムです。

暑い日が続いております。

最近は、ここ北九州でも、四季では無く、夏と冬の二つしか季節が無いように感じられる気候になっています。

ただですら、夏は湿気が多い北九州の気候において、新築住宅の計画を立てる際には、
エアコンの選び方がますます重要になっています。

今回は、快適な暮らしと省エネライフの両立が可能なZEHエアコンの選び方について解説します。

ZEH住宅とエアコンの関係: エネルギー効率が重要

ZEH住宅とエアコンの関係: エネルギー効率が重要【北九州 新築・注文住宅】

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)を目指して新築住宅を計画する際、エアコン選びは非常に重要です。

高いエネルギー効率が得られるエアコンを選ぶことで、快適な住まいを実現しつつ
コスパを考慮した住宅設計が可能になります。

最近では、多くのメーカーが省エネエアコンを提供しており、その性能も様々です。

まず、エアコンの性能を比較する際、エネルギー消費効率(APF)が重要であることを理解しましょう。

APF(Annual Performance Factor)とは一年を通して、ある一定の条件のもとにエアコンを使用した時の消費電力量1kWh当たりの冷房・暖房能力(kWh)を表示したもの【北九州 新築・注文住宅】
APF(Annual Performance Factor)とは

APFが高いほど、消費電力に対する冷暖房能力が高く、省エネ性能が優れています。

最近の高級機では7を超える商品もあります。

例えばAPF5とは電気1で5倍の運転能力を発揮してくれることを意味しています。

APF5とは電気1で5倍の運転能力を発揮【北九州 新築・注文住宅】
APF5とは電気1で5倍の運転能力を発揮

使った電気以上の空調ができるなんて、エネルギー保存の法則に反していそうで何だか不思議な感じがしますが、
もちろん、エネルギー保存の法則に反しているなんてことはありません。

このような魔法みたいなことができるのは、エアコンが「ヒートポンプ」という外の空気と熱のやり取りをできる、
とても便利な技術を使っているからです。

ちなみに現在のエアコンは、最も安く買えるスタンダードモデルで5~6、高級機種では6~7という
数値になっています。また、使用する地域や季節によっても、エアコンの性能が変わることがあるため、
これらの要素を確認して選ぶことが重要です。

加えて、家庭の省エネ目標や予算に合わせてエアコンを選ぶことが求められます。メーカーや価格帯によっては、
省エネ性能が高いエアコンが高額になることもありますが、長期的に見ると光熱費の削減につながります。

メーカーが想定する住宅性能と
ZEH住宅の違い【北九州 新築・注文住宅】

メーカーが想定する住宅性能とZEH住宅の違い【北九州 新築・注文住宅】

ZEH住宅は、太陽光発電システムや高性能な断熱材など、高いエネルギー効率が求められる住宅です。
そのため、エアコン選びでもエネルギー効率が重要となります。

特に冬場や夏場のエアコン消費電力が多い時期においては、エネルギー効率の高いエアコンを選ぶことで、
家庭のエネルギー消費を抑えることが可能です。

また、省エネエアコンは、家庭用太陽光発電システムと連動して、発電した電気を冷暖房に利用することにより、
エネルギー効率の良い住まいを実現できます。

出典:霧ヶ峰 Times 全問正解者の割合はわずか7.3%!600人に実施 『エアコン節電の理解度調査』【北九州 新築・注文住宅】
出典:霧ヶ峰 Times 全問正解者の割合はわずか7.3%!600人に実施 『エアコン節電の理解度調査』

エアコンの種類によっては、温度調節や運転モードの設定によって、さらに省エネ効果が高まるものもあります。
多機能なエアコンを選ぶ際には、これらの性能を確認して選ぶと良いでしょう。

しかしながら、実はエアコンのカタログなどで○畳用と表示されているのは、大昔の古い寒い家の基準なんです。

昨今の高断熱UA値Q値、C値の優れた家の場合、メーカーの表示しているサイズ通りを選ぶと
オーバースペックになってしまいます

そして、オーバースペックのエアコンはエアコン本体の金額も高くなります。あまりハイパワーすぎる物を入れると、
もったいない状態になります。逆にパワーの足りないものを入れるとどうなるかというと、部屋を暖めるよりも、
熱が外に逃げてしまう方が速く、全然部屋が暖かく(涼しく)ならないということが起きてしまいます。

特にパワーの差が出るのが立ち上がりです。

容量の大きいものはパワーがあるので、早く室温を暖かく(涼しく)出来ます。

しかし、逆を言えば、高断熱の家の場合、弱運転でずっと連続運転で使う方が効率が良いので、
あまり立ち上がりの速さは気にしなくても良いと判断することもできます。

断熱性能(Ua値)とエアコン畳数の関係

断熱性能(Ua値)とエアコン畳数の関係【北九州 新築・注文住宅】

エアコンメーカーの畳数表示は1964年に制定された基準での表示になっています。

今から60年前の無断熱に家が基準となっていますが、ほとんどの方が、それを知らない。

量販店の店員さんは、これを知っていても決して教えてくれることはありません。

暑いや寒いなどのクレームを受けたくないので、無断熱基準のエアコンが、
クレーム防止商品としては最適な選択肢なのです。

等級4のUa値0.87の家ですら、ある程度は断熱されていますね。

という事は、オーバースペックエアコンを、日本の沢山の住宅が設置していくことになります。

それでも、冬場エアコンの効きが悪いのは、それは断熱性よりも気密性の問題だと言えます。

エアコンの〇畳用というのはほぼ無断熱の家を前提としています。

これに対して昨今の家はかなり断熱に力を入れていますよね。

失敗しない省エネエアコンの導入: 4つのポイント

失敗しない省エネエアコンの導入: 4つのポイント【北九州 新築・注文住宅】
失敗しない省エネエアコンの導入: 4つのポイント

省エネエアコンの導入に失敗しないために、以下の4つのポイントを確認しましょう。

1.エアコンのエネルギー消費効率(APF)を比較し、省エネ性能の高いものを選ぶこと。

2.家庭の畳数や部屋の条件に合わせたエアコン選びを行うこと。

3.使用する地域や家庭の状況に応じたエアコン機能を検討すること。

4.専門家(これは量販店の担当者ではありません)と相談して、適切な設計や設置方法を実施すること。

これらのポイントを押さえることで、省エネエアコンを効果的に利用し、快適で省エネな生活を送ることができるでしょう。

事前に検討すべき性能基準: APFCOP

新築住宅を計画する際、エアコンの性能を判断する基準として、APF(年間性能係数)とCOP(冷房効率)が重要です。
APFは1年間のエネルギー消費効率を示し、高いほど省エネ性能が優れています。
一方、COPは冷房時の消費電力に対する冷房能力を示し、こちらも高いほど性能が良いと言えます。

住宅全体の省エネ性能を向上させるためにも、APFとCOPの基準をしっかりと把握し、各メーカーの設備を
比較検討することが大切です。
また、各地域の気候や家庭の使用状況に応じて、適切な性能基準を選ぶことが重要です。

ZEH住宅のエアコン選び

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、家庭内で太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用し、
年間のエネルギー消費量を削減する住宅です。一般的なメーカーが想定する住宅性能と比較して、
ZEH住宅は高い省エネ性能が求められます。

特に断熱性能や換気システム、エアコン性能などが重要視され、これらの機能が充実していることで、
快適な生活空間を実現します。
価格と性能を慎重に検討し、適切な設計や施工を行うことで、効果的なZEH住宅を建築することが可能です。

必要な機能と余計な機能の見極め

新築住宅の省エネ設備を選ぶ際、必要な機能と余計な機能の見極めが重要です。例えば、エアコン性能に関しては、
上記で述べたAPFやCOPに注目することが大切ですが、一方で、必要性が低い機能やオプションについては
価格の無駄になる場合があります。

機能選択の際、自分の地域や家庭の利用状況を考慮し、実際に使うことが多い機能や効果的な機能を優先して
選ぶようにしましょう。その際、営業担当者や専門の相談窓口に意見を求めることも有効です。

地域の環境に適したエアコン選び

地域の気候や環境に合わせたエアコン選びが、省エネ性能を最大限に発揮するポイントです。
例えば、寒冷地であれば、冬の暖房効率が高いエアコンを選ぶことが重要です。
また、高温多湿地では、除湿機能も重視して選ぶべきです。

エアコン選びにあたっては、地域の気象情報やエアコンメーカーの提供する性能情報を確認し、
最適な機種を選ぶことが大切です。これにより、快適な住まいの環境を実現することが可能です。

最適なエアコン運転方法: 省エネと快適な生活の両立

最適なエアコン運転方法: 省エネと快適な生活の両立【北九州 新築・注文住宅】

最適なエアコンの運転方法を知ることで、省エネと快適な生活を同時に実現できます。
冷房運転時と暖房運転時にはそれぞれ異なる省エネ設定があり、適切に使い分けることが大切です。
また、エアコンの電気代を削減する方法や、購入後の注意点についても説明していきます。
これらのポイントを押さえて、エアコン性能を最大限に活かしましょう。

冷房運転時の省エネ設定

冷房運転時の省エネ設定では、室温を適切に設定し、過度な冷房を防ぐことが重要です。
また、エアコンの室内機の風向や風量を調整することで、効率的な冷房が可能になります。
さらに、窓を閉め切った状態でエアコンを使用し、断熱性能が高い窓に取り替えることも、冷房の効果を向上させます。

暖房運転時の省エネ設定

暖房運転時の省エネ設定では、エアコンの温度設定をやや下げることで、電気代の節約が期待できます。
また、エアコンの吹き出し口を上向きに設定し、天井近くの温度を上げることで、部屋全体を効率よく
暖めることができます。
温度差がない状態で運転することが、省エネと快適な暖房のバランスを保つポイントです。

対策: エアコンの電気代を削減する方法

エアコンの電気代を削減する方法としては、定期的にエアコンのフィルターや外部機の掃除を行い、
効率の良い運転を保つことが挙げられます。また、部屋の断熱工事を検討することで、エアコンの効果を
最大限に活かし、電気代を節約できます。さらに、エアコンの代わりに扇風機を併用することで、
電気代を削減することが可能です。

購入後の注意点: エアコン性能を最大限に活かす

購入後の注意点として、エアコン性能を最大限に活かすためには、取扱説明書をよく読み、適切な使い方を
心掛けることが大切です。また、性能を維持するために定期的なメンテナンスや掃除を行いましょう。
さらに、エアコン運転時の室内温度や湿度を確認し、適切な設定を行うことで、快適で省エネな生活を実現できます。

適切な設置場所と設計: 効率的な空調

適切な設置場所と設計により、エアコンの効率を向上させることができます。新築時には、省エネ住宅を
実現するために、空調設備の選定や取り付け場所を検討することが重要です。各メーカーからは、ZEH対応の
エアコンも販売されており、設置場所や設計によって、性能を最大限に発揮させることが可能です。

効果的なエアコンの設置には、以下のポイントを確認しておくといいでしょう。まず、窓からの日射しが少なく、
風通しが良い場所に設置することが望ましいです。
また、天井や壁に適切な断熱材を使用し、熱の出入りを抑えることで、エアコンの省エネ効果を高めることができます。

さらに、冬場の寒さ対策として、室内の温度が均一になるように配置を工夫することも必要です。
例えば、冬場に暖かい空気が上に行くのを防ぐために、エアコンを床近くに設置することが有効です。
エアコンの設置にあたっては、専門家と相談しながら、適切な場所と設計を検討することがおすすめです。

定期的なメンテナンスと清掃: エアコンの寿命を延ばす

定期的なメンテナンスと清掃: エアコンの寿命を延ばす【北九州 新築・注文住宅】
定期的なメンテナンスと清掃: エアコンの寿命を延ばす

エアコンの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスと清掃が不可欠です。エアコンが持つ省エネ性能を
維持するためにも、フィルターや室外機の清掃をこまめに行いましょう。また、プロの事業者によるメンテナンスを
定期的に依頼することで、エアコンの稼働状況をチェックし、見落としやすい機能不良を防ぐことが可能です。

エアコンの効率的な運転には、適切な温度設定も重要です。一般的には、夏場は28℃前後、冬場は20℃前後で
運転することが推奨されています。その他、適切な湿度管理や換気も、省エネにつながるポイントです。
適切な使い方を心掛けることで、エアコンの性能を最大限活用することができます。

具体的なエアコンの畳数の計算方法【北九州 新築・注文住宅】

具体的なエアコンの畳数の計算方法【北九州 新築・注文住宅】

実際に具体的に計算する場合には、UA値、Q値、Cなどから計算が可能です。

UA値=Q値×0.37-0.13 → Q値=1.57

必要暖房能力=(Q値+C値/10)×部屋の面積㎡×温度差℃

      =(1.57+0.5/10)×30.25×25

=1225W

ハゼモト建設のEcoSumaを実例として

UA値0.43として、試算しています。

C値0.5 (C値は家の大きさなどで前後しますが、測定値は0.5以下です)

温度差25℃ (寒い年でもこれがMAXだと考えます)

必要暖房能力=1.225kw

という数値になり、普及タイプでも20帖のリビングでも12畳用のエアコンでも十分お釣りが来るという計算になります。

実際に計算しないでいると、

「そんなに小さいエアコンじゃ無理でしょ」

と思われる方も多いのですが、今の高断熱タイプの家ですと、
エアコンメーカーの畳数の3分の1以下の容量でもお釣りが来るほどに冷暖房って出来てしまうんですね。

吹き抜けがあってシーリングファンがあれば、一階と二階を一台のエアコンで暖めることも可能です。

出典:株式会社MXエンジニアリング エアコンの効率的な運転とは【北九州 新築・注文住宅】
出典:株式会社MXエンジニアリング エアコンの効率的な運転とは

扉を閉めていると、向こうの部屋は暖かくならない?という質問も多いですが、
扉があっても連続運伝で使っていれば、扉程度の薄さであれば問題なく暖かさは伝わります。

もちろん、扉を開けておく方が暖かさが伝わるのは速いですが。扉には断熱材などは入っていませんので、
きちんと熱は伝わっていきます

全館空調システム床暖房も人気がありますが、高断熱の家の場合、普通のエアコンだけでも問題なく全室を暖められます。

全館空調システム、床暖房にお金をかけるよりも断熱にお金をかけた方が良いと言われるのはそういう理由です。

まとめ: 省エネZEHエアコン選びのポイントと注意点

新築住宅での省エネZEHエアコン選びには、適切な設置場所と設計が重要です。省エネ性能を最大限に
活用するためには、適切な断熱材を使用し、熱の出入りを抑えることがポイントです。また、エアコンの
稼働状況をチェックし、定期的なメンテナンスと清掃を行うことで、長期的な性能維持が可能となります。

さらに、適切な温度設定や湿度管理、換気を行うことで、快適な室内環境を実現しましょう。
専門家と相談しながら、適切な設置場所と設計を検討することが、省エネ住宅におけるコスパの良い
エアコン選びにつながります。
省エネ性能が高いエアコンを使って、賢く快適な暮らしと省エネライフを両立しましょう。

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