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家づくりコラム
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2022.05.23
【高性能住宅のプロが教える】家庭用蓄電池のメリット・デメリットを徹底解説
こんにちは。
価格と性能を両方真面目に考える北九州の「地元で生まれ地元で育った工務店」ハゼモト建設の河野です。
最近、マイホームを検討してるお客様から「家庭用蓄電池」ってどうなんですか?
という質問を受ける事が多くなってきました。
そこで今回は、家庭用蓄電池について詳しく解説していきます。
この記事を読んで頂ければ、家庭用蓄電池についての基礎知識が身に付きますので、
最後までお付き合い下さい。
INDEX
家庭用蓄電池とはどんなものなのか
家庭用蓄電池とは、一般住宅で使用できる2次電池やバッテリーのことです。
太陽光発電設備や電力会社から供給された電力を貯蓄でき、家庭内で電力が必要な時に供給可能です。
家庭用蓄電池は、主に「防災」と「エコ」の2つの観点から注目が集まっています。
例えば、災害による停電の際も電力の確保が出来るので、必要最低限の生活を維持できます。
また、家庭用蓄電池を太陽光発電と組み合わせて使用することで電力を有効に活用する事が
出来るため、温室効果ガスの削減が世界的な課題となっている現在、省エネへの取り組みに
なることから政府や企業などさまざまな団体から推奨されています。
家庭用蓄電池が注目されているもう1つの理由
もう1つ、家庭用蓄電池が注目されている理由に「卒FIT」の影響があります。
「FIT」とは「再生可能エネルギーの固定買取制度」のことで、太陽光発電を代表とする
再生可能エネルギーによる発電の普及を目的とした制度のことです。
この制度によって、自宅で太陽光発電を行い、余った電気を電力会社が
固定価格(2022年度は17円/Kw:九州電力)で買い取ってくれるため、
家庭への太陽光発電設備の普及に大きく貢献していました。
ところが、固定価格による電力買取は10年間と期限が決まってるので、FIT制度の
適用期間を終える、いわゆる「卒FIT」を迎える事で、電力の買取価格が大幅に減り、
電気を売ることで得られていた収入が減少します。
2009年に余剰電力の買取制度がスタート(スタード時の買取価格は、43円/Kw)
しているので、2019年以降に卒FITを迎えた家庭が増えています。
卒FITを迎えたご家庭の中に、家庭用蓄電池を設置して、発電した電気を貯め、
自家消費をすることで、電気料金の節約をする方法を選択される方も多く、
家庭用蓄電池の需要が増加している一因となっています。
家庭用蓄電池のメリット3選とデメリット3選
家庭用蓄電池の設置を検討する場合、メリットのみに目を向けず、デメリットも
しっかり考慮する必要があります。
家庭用蓄電池のメリット①:停電時の電力を確保できる
近年、日本各地で地震や台風による被害など予測が出来ない自然災害が多発しており、
防災意識が高くなっています。
家庭用蓄電池は、災害などで停電になった場合に非常用電源として
安心して電気を使用することができます。
蓄電池の製品によっては、停電時に使いたい家電製品を予め設定しおくことができ、
24時間連続して使用できる製品もあります。
家庭用蓄電池のメリット②:電気料金を抑えることができる
家庭用蓄電池を用いる事で電気料金を抑えることができるのもメリットの1つです。
現在の家庭用蓄電池は、AIの技術を活用して電気料金が安い深夜電力時に自動で充電したり、
電気の使い方を家庭ごとの学習することで効率的な充放電が可能になっています。
また、太陽光発電を設置済みの方で卒FITが間近な方や2019年以降に太陽光を設置した方は、
売電するよりも家庭用蓄電池に充電して自家消費することで、高い経済メリットを享受できます。
今後、電気料金が高くなっていくことを考えると、家庭用蓄電池を設置する効果は大きいと言えます。
家庭用蓄電池のメリット③:ピークシフトに貢献できる
家庭用蓄電池を使って、深夜に電気を貯めて、日中に放電することは電力需要が高まる
日中の電力使用量を抑える「ピークシフト」にもつながります。
ピークシフトすることは、高コストで二酸化炭素の多い火力発電の出番を減らすことに繋がります。
蓄電池を導入することで、家庭の電気代の削減をしながら、環境やエネルギー問題の解決にも
貢献できるのです。
家庭用蓄電池のデメリット①:設置費用が高い
設置する機種によっても異なりますが、一般家庭で導入される家庭用蓄電池の容量は
4~8Kw程度になります。
それに伴う、設置費用は150万円~250万円程度の費用になることが多いです。
家庭用蓄電池を導入することで得られる経済効果は、太陽光発電の設置状況やライフスタイルによって
異なりますが、導入コストの高さはデメリットになると言わざるを得ません。
家庭用蓄電池のデメリット②:寿命が存在する
家庭用蓄電池は、あくまで電池です。携帯電話の電池と同じように劣化します。
家庭用蓄電池は充電できる回数が決まっており、寿命が存在します。
現在、さまざまな新型蓄電池が誕生し、耐用年数は伸びていますが、
寿命が存在していることは把握しておくべき点です。
家庭用蓄電池の寿命は「サイクル」と言われる、「充電と放電を1セットとして
何度くり返せるか」を示した単位で表されています。
据置型の場合、4000サイクル(約10年)で蓄電できる容量が7~9割まで減少する
と言われています。
家庭用蓄電池で一般的に使用されているリチウムイオンの電池は、電力容量が
100%や0%の状態よりも、50%程度に保っているのが好ましいとされています。
少しでも長持ちさせるためには、残容量50%程度の状況を維持できるサイクルを
心掛けておきましょう。
家庭用蓄電池のデメリット③:設置スペースの確保が必要
据置型の家庭用蓄電池を導入する場合は、設置スペースが必要になります。
そこまで大きいスペースは必要ありませんが、敷地面積がシビアな場合、
調整が必要になる場合がります。
また、設置場所には次のような条件が必要になります。
・直射日光が当たらないこと
・高温多湿でないこと
・重塩害地域でないこと
屋外に上記のような条件を満たす場所が無い場合は、室内に設置するタイプも存在します。
ただし、設置のためのスペースを室内に確保しなければならないことや
運転音が発生するため、寝室の近くを避けるなどの工夫が必要です。
家庭用蓄電池と太陽光発電システムの関係性
家庭用蓄電池と太陽光発電システムは、大変相性が良いとされています。
その理由は、家庭用蓄電池が太陽光発電のデメリットを補ってくれるからです。
太陽光発電は、太陽が出ている日中しか発電しませんし、雨の日や夕方以降は
発電効率が落ちてしましますから、電力会社から高い電気を買う必要があります。
ところが、家庭用蓄電池は、割安の深夜電力を蓄電して、発電量が消費電力より
低い場合に家庭用蓄電池が蓄電した安い電気を放電してくれます。
まとめ:高性能住宅に蓄電池を検討する価値は高い
今国会に建築物省エネ法の改正案が提出されたことからも分かるように、住宅の性能を
高くすることが急務になっています。
ZEH基準の住宅を建築する場合、太陽光発電のような再生可能エネルギーの利用が必要になります。
その際に、やはり太陽光発電システムの導入をされる方が多いです。
前述したように、家庭用蓄電池と太陽光発電は相性が良いため、蓄電池は
ZEH基準の住宅にとっても、メリットの高い設備といえます。
確かに、設置コストの問題などもありますが、将来のことを考えた場合に
電気の必要性は高くなっていきます。
電気の必要性は高くなるにも関わらず、電力料金の高騰に歯止めをかける事が難しくなっています。
デメリットをしっかりと認識したうえで導入するならば、家庭用蓄電池の持つメリットは大きいです。
私どもハゼモト建設株式会社は、北九州都市圏に施工エリアを限定して、お客様のご要望に
しっかりとお応えすると共に、価格と性能を真剣に考えてコスパの良い住宅をご提案しています。
北九州都市圏でのお家づくりは、ハゼモト建設株式会社にお任せください。