『地元で生まれ地元で育った工務店』ハゼモト建設の櫨本健一です。
今年の夏、皆様はどのように過ごされましたか。私たちが暮らす北九州も、例外なく厳しい暑さに見舞われました。
関門海峡を抜ける風は心地よいものの、内陸部では気温の上昇が激しく、ニュースでは「記録的な猛暑日」「熱帯夜の増加」という言葉が常態化しています。さらに、近年は線状降水帯による大雨やゲリラ豪雨の激化も懸念されており、この気候変動の波は、私たちの暮らしと安全を脅かし始めています。そして、その猛暑や寒さを乗り切るための冷暖房機器が原因で、家計を直撃する電気料金の高騰に、頭を抱えた方も少なくないでしょう。
私たちの暮らしを取り巻く環境は、気候も経済も、まさに激変期にあります。そんな中、家づくりにおいても、2025年は歴史的な転換点として語り継がれる年になるかもしれません。
国が目指す「カーボンニュートラル」の実現に向けて、住宅の省エネ基準が大きく変わり、これまでの「当たり前」の家が、もはや「当たり前」ではなくなるからです。
特に、近年注目を集めている「ZEH(ゼッチ)」を超える、最新・最上位の基準として登場した「GX志向型住宅」は、これから家を建てようとお考えのすべての皆様にとって、絶対に無視できないキーワードとなりました。
大切なのは、単に難しい基準をクリアすることではありません。
北九州の風土の中で、家族が健康で、快適に、そして安心して暮らせる家。それを実現するために、今の時代に何が必要なのか。一緒に考えていきましょう。
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- 北九州の家づくりと2025年を取り巻く3つの大きな変化
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北九州の家づくりと2025年を取り巻く3つの大きな変化

夏の暑さ対策の重要性として、従来の断熱性能の低い家では、日中に蓄えられた熱が夜になっても逃げず、熱中症のリスクを高めます。
これは、単にエアコンの電気代がかさむという問題だけでなく、家族の命と健康に関わる深刻な問題です。
高性能な断熱等級6以上の家は、日中の熱の侵入を抑え、夜間の熱帯夜から家族を守る「命の砦」となるのです。
冬のヒートショック対策として、北九州の住宅の多くは、廊下や浴室が冷え込み、リビングとの温度差が大きくなりがちです。これは、急激な温度変化による血圧の変動、すなわちヒートショックを引き起こす危険性があります。
高性能住宅、特に高気密・高断熱な家は、家中の温度を均一に保つことで、このリスクを大幅に軽減し、ウェルビーイングな暮らしを支えます。
高性能住宅は、もはや北九州という土地で「快適」に暮らすための「必須条件」なのです。私たちの暮らしが、国全体のエネルギー戦略と密接に結びついている時代になった、ということですね。
高性能住宅の「二本柱」:BEIと断熱等級を理解する
BEI(一次エネルギー消費性能)って、結局何?
BEI(Building Energy Index)とは、建物の一次エネルギー消費性能を示す指標です。簡単に言えば、「その家が、暖房・冷房・換気・給湯・照明などで、どれだけのエネルギーを必要とするか」を数値化したものです。BEI = \frac{\text{設計一次エネルギー消費量}}{\text{基準一次エネルギー消費量}}
ここでいう「基準一次エネルギー消費量」とは、断熱等級4の建物に、2012年頃の標準的な設備を入れた家が消費するエネルギー量を1.0とした場合のベンチマークです。そして、BEIの値が小さければ小さいほど、その家は省エネ性能が高いことを意味します。

BEI ≤ 1.0 2025年4月からの省エネ基準適合の最低ライン
BEI ≤ 0.8 ZEH水準の基準、一次エネルギー消費量等級6に相当します
BEI ≤ 0.65 GX志向型住宅の基準の一部(再エネを除く35%以上の削減)

BEIは、主に高効率な設備(高効率エアコン、エコキュートなどのヒートポンプ給湯器、LED照明など)の導入によって削減効果が出やすい指標です。しかし、BEIは国が定める計算プログラム(WEBプログラム)で算出されるため、設計段階の数値と実際の住み心地や電気代にズレが生じる可能性があることも知っておいてください。
断熱性能がもたらす「快適さ」と「健康」という名の財産
一方、断熱等級は、建物の外皮性能、つまり「熱の逃げにくさ」を示す指標です。UA値(外皮平均熱貫流率)という数値で評価され、数値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。
これは、高性能住宅の土台となる部分です。どれだけ高性能なエアコンを入れても、断熱がおろそかな家では、暖めた空気はすぐに壁や窓から逃げてしまい、冷暖房効率は落ち、電気代はかさみます。

断熱等級は、「住む人の快適さと健康」という、お金には代えられない財産を私たちにもたらしてくれる、高性能住宅の「心臓」なのです。
最新トレンド徹底解説!ZEHからGX志向型住宅へ
ここからは、今最も注目されている「GX志向型住宅」に焦点を当てて、その具体的な基準と、皆さんが得るべきメリットについて詳しく見ていきましょう。
ZEHを超える「GX志向型住宅」の衝撃
「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」は、これまで国が推進してきた高性能住宅の代名詞でした。しかし、このZEH水準(断熱等級5、BEI≤0.8)でさえ、2025年以降は「並」の性能になりつつあります。そして、満を持して登場したのが、GX志向型住宅です。

特に注目すべきは、「断熱等級6以上」と「BEI 0.65以下」という、従来のZEH水準を大幅に上回る厳しい数値です。
これは、建物の高断熱化と、給湯・暖房設備における高効率化(ヒートポンプ必須レベル)の両方を高いレベルで実現しなければ達成できません。
断熱等級6は、わずか数年前まで「最上位のさらに上」とされ、国交省も普及目標がないと公言していたほどのハイレベルな基準でした。
それが今、補助金制度の最上位に組み込まれたことは、日本の住宅の性能が歴史的な大転換期を迎えていることの証です。
最大160万円!補助金が示す国の本気度と未来予測
X志向型住宅がこれほど注目される最大の理由は、その補助金額の大きさです。
子育てグリーン住宅支援事業などの枠組みにおいて、GX志向型住宅を新築する場合、最大160万円という補助金が交付されます。
これは、従来のZEH水準住宅(最大60万円)や長期優良住宅(最大80万円)と比較しても、群を抜いています。
さらに重要な点は、このGX志向型住宅の補助金が、子育て世帯や若者夫婦世帯だけでなく、所得制限もなく、すべての世帯が対象となることです。高性能な家を建てたいと考えるすべての方に、国が大きな扉を開いた、と言えるでしょう。
これほどの金額と幅広い対象者に向けて補助金が用意されていることは、国がGX志向型住宅の基準を「未来のスタンダード」として、一気に普及させようという本気度の表れに他なりません。
【未来予測】2026年以降も補助金は続くのか?
では、この手厚い補助金制度は、2026年以降も継続するのでしょうか。
結論から申し上げると、形を変えながらも、高性能住宅への支援は継続する可能性が極めて高いと予測されます。

つまり、高性能住宅への支援策は続きますが、「今が最大のチャンス」である可能性は非常に高いのです。補助金を最大限に活用するなら、基準がまだ厳しすぎず、金額も手厚い「今」のタイミングを逃さないことが重要です。


「検討している間に終わってしまった…」では、あまりにも惜しい話です。補助金の活用は、家づくりの初期段階から、私たちのような実績と情報力のある工務店と早めに計画を立て、動くことが何よりも重要です。「思い立ったが吉日」。特に補助金に頼りたい方は、この言葉を胸に、まずは私たちハゼモト建設にご相談いただければ、全力でサポートさせていただきます。
複雑な省エネ基準と補助金をシンプルに理解する
最新の基準や制度は非常に複雑で、頭が痛くなりますよね。
そこで、ここでは皆さんが家づくりの計画を進める上で、どの基準を選ぶべきか、シンプルに整理してみました。
長期優良住宅、ZEH、GX志向型の違いと選び方

ハゼモト建設からのアドバイス
「どの基準が良いですか?」と聞かれれば、私は迷わず「GX志向型住宅」をおすすめします。
理由は、これからの北九州の異常気象と電気代高騰の時代において、断熱等級6という高い性能と、HEMSによるエネルギー管理は、家族の快適さと家計の安心を両立させる最も賢明な選択だからです。
補助金争奪戦を勝ち抜くための「早めの計画」
先ほどもお伝えしたように、GX志向型住宅の補助金は全世帯対象で金額も大きいため、非常に早い段階で予算が消化される可能性が高いです。家づくりは時間との勝負です。

ハゼモト建設が提案する「本物の高性能住宅」の考え方
ここからは、数値基準や制度の話だけでなく、私たちハゼモト建設が長年大切にしてきた「本物の高性能住宅」の考え方についてお話しさせてください。
数値だけでは測れない「本質的な価値」と「高気密」の重要性
私は、BEIや断熱等級といった数値は重要ですが、それだけで家の性能のすべてが決まるわけではない、と考えています。
BEIは主に「設備」の効率によって数値が下がりやすい特性がありますが、どれだけ高効率なエアコンや給湯器を入れても、建物に隙間が多い、つまり「気密性能」が低い家では、熱は簡単に逃げてしまいます。
例えるなら、断熱材が「暖かいセーター」だとすれば、気密性能は「セーターの裾を絞るヒモ」のようなものです。ヒモが緩んでいれば、北九州特有の冷たい関門の風が隙間から入り込み、暖かさは逃げてしまいますよね。
だからこそ、私たちは「高断熱」と「高気密」を両輪とし、それを生かす「高効率な設備」を組み合わせた「三位一体戦略」こそが、本物の高性能住宅だと確信しています。
この設計施工志向で10年以上、高性能住宅を建てて参りました。
一過性のブームでの対応ではなく、やっと社会が追いついてきたという印象です。

特にHEMS(ヘムス)は、GX志向型住宅の必須要件であり、単に電気の使用量を見るだけでなく、太陽光の発電量や蓄電池の充放電、エアコンなどの設備を自動で制御し、家庭内のエネルギーを最適に使うための「頭脳」となります。
パッシブデザインで実現する光熱費に頼らない快適さ
最新の設備を導入するだけでなく、私たちは「パッシブデザイン」という考え方も大切にしています。
これは、機械的な力に頼らず、太陽の光や熱、風の流れといった自然の力を最大限に利用して、快適な住環境をつくり出す設計手法です。

高断熱・高気密の家だからこそ、このパッシブデザインが最大限に生きます。
BEIの数値を良くするために高効率な設備を入れるのはもちろんですが、その設備を動かす頻度や時間を減らすことが、真の光熱費削減につながるのです。
コストと性能のバランスをどう取るか
高性能住宅は、どうしても初期費用が高くなりがちです。
このコスト面での不安を解消しなければ、なかなか家づくりに踏み出せない方も多いでしょう。
初期投資は「未来への保険」と考える
確かに、断熱等級6をクリアするための高性能な断熱材やサッシ、そしてGX志向型住宅の必須要件である太陽光発電やHEMSの導入には、費用がかかります。
しかし、私はこの初期投資を、「未来の安心と快適さへの保険」だと考えていただきたいのです。
これから20年、30年と住み続ける家が、北九州の異常気象の影響を受けにくく、電気代高騰の波にも耐えられる性能を持っていたら、どうでしょうか。また、家族の健康を守り、将来的に資産価値も保ちやすい家であったとしたら。
目先の数百万の投資が、生涯にわたって数十万〜数百万の光熱費削減、そして何よりも家族のQOL(生活の質)の向上という形で、必ず私たちに恩恵をもたらしてくれます。

ランニングコスト削減による生涯収支の最適化
実際に、高性能住宅は、一般的な住宅と比較して、年間で数万円〜十数万円単位の光熱費削減効果があると言われています。GX志向型住宅のように、BEI 0.65以下(35%以上のエネルギー削減)という基準をクリアし、さらに太陽光発電で創エネすれば、年間のエネルギー収支は大幅なプラスになることも可能です。
このランニングコストの削減額に、補助金(最大160万円)や、住宅ローン減税の優遇(高性能住宅ほど優遇が大きい)などの制度メリットを加えれば、初期コストの増加分は、数年〜十数年で回収できるという計算が成り立つことが多いのです。
私たちは、単に見積もりを提示するだけでなく、この「生涯収支シミュレーション」を必ず行い、お客様に長期的な視点でのメリットを具体的に示しています。「高そうだから無理」と諦める前に、ぜひ一度、未来のお財布に優しい高性能住宅のシミュレーションを体験してみてください。きっと、新しい視点が見つかるはずです。
私たちが大切にする「人間味」と地元への想い
ここまで、最新の基準や制度について専門的なお話をしてきましたが、最後に、私たちハゼモト建設が最も大切にしていることをお伝えさせてください。それは、「人」と「暮らし」、そして地元・北九州への想いです。
私たちはお客様の家を建てる際、単にBEIや断熱等級といった数値をクリアする技術者であるだけでなく、お客様の夢や未来を語り合うパートナーでありたいと思っています。高性能な家づくりは、時に複雑で難解な選択を迫られます。
「ZEHにするか、GX志向型住宅にするか?」
「断熱等級6と等級7の差額は、体感としてどれくらい違うのか?」
「HEMSって本当に便利なの?」
これらの疑問に、私たちは理論だけでなく、北九州という地域に根差した実際の施工経験に基づいた人間味ある言葉でお答えします。
「この地域なら、等級6でも十分快適ですよ。その分を別のこだわり(造作収納やランドリースペース)に回しませんか?」
「うちのお客様は、断熱性能を上げてから、冬場の結露の悩みが一切なくなりました。特に北九州の冬の冷え込みには効果絶大です」
こうした、お客様からいただいた生の声や実体験を、次のお客様への確かな情報としてお届けすること。そして、お客様のライフスタイルや価値観を深く理解し、トレンドばかりを追いかけるのではなく、家族一人ひとりが心から心地よいと思える空間を、一緒に創り上げること。
これが、私たちハゼモト建設の「本物の高性能住宅」に対する、何よりも大切にしている信念です。高性能住宅は、単にエネルギー消費量を減らすだけの箱ではありません。家族の健康を守り、災害時の安心を提供し、未来の光熱費の不安を取り除く、「幸せの土台」です。私たちは、その土台を、最新の技術と、地域に根差した熟練の技、そして何よりも「人への想い」を込めて、丁寧に築き上げたいと願っています。
未来の住まいを、一緒に語り合いませんか
2025年を迎え、日本の家づくりは新しいフェーズへと突入しました。GX志向型住宅という最上位の基準が示すように、これからの住まいは、高断熱、高気密、そして創エネ・省エネのすべてが不可欠な時代となります。補助金制度も目まぐるしく変わる中で、早めの情報収集と行動が、皆様の家づくりの成功を左右します。
「BEIって難しいけど、結局うちの家だとどうなるの?」
「GX志向型住宅の補助金、まだ間に合うかな?」
「子どものアレルギーを考えて、断熱等級6の家にしたいけど、予算が…」
どんな些細な不安や疑問でも構いません。まずは、私たちと一緒に、あなたの「未来の暮らし」について、ざっくばらんにお話ししてみませんか。

私たちハゼモト建設は、地元・北九州の気候風土を熟知し、最新の高性能住宅の知識と確かな技術を持った、皆様の「家づくりの良き伴走者」であることをお約束します。
高性能住宅は、必ずあなたの暮らしと未来を、豊かに変えてくれます。皆様からのご連絡を、心よりお待ちしております。
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