地元で生まれ地元で育った工務店』北九州のハゼモト建設の櫨本です。
家づくりというと、多くの方が「広い庭」「大きなリビング」「十分すぎるほどの収納」といった、ゆとりのある空間を思い浮かべるのではないでしょうか。高度経済成長期から続く「大きな家=幸せ」という常識は、私たちの心の中に深く根付いています。
しかし、時代の流れ、社会のあり方は、驚くほどのスピードで変化しています。本当に、今も昔と同じ価値観で家を建てていいのでしょうか?
私たちの家族スタイルは多様化し、モノを「持つ」ことよりも、体験を「楽しむ」こと、精神的な「ゆとり」を大切にするミニマルライフという価値観が広がっています。さらに、全国的な地価や資材の高騰は、私たちに「家づくりとは何か?」「本当に必要な広さとは何か?」という根源的な問いを突きつけています。
そんな現代社会で、一つの選択肢として急速に注目を集めているのが、10坪からの「小さな家」、いわゆるコンパクトハウスや狭小住宅と呼ばれる住まいです。
畳数に換算すると、おおよそ20畳。公立の小学校の教室の約半分ほどの広さです。この小さな土地に、私たちの新しい暮らしの可能性が本当に詰まっているのでしょうか?
私は、この「小さな家」こそが、これからの家族スタイルの多様性、そして変化する社会情勢に、最も柔軟に応えてくれる新しい選択肢であると確信しています。

このコラムでは、私たちが日々肌で感じている社会のトレンドや、北九州という地域での家づくりの経験を踏まえ、10坪からの小さな家が、私たちの暮らしにどんなポジティブな変化をもたらすのかを、皆さんと一緒に深掘りしていきたいと思います。
INDEX
なぜ今、小さな家なのか?
社会の変化とミニマルな価値観
なぜ、今このタイミングで「小さな家」がこれほどまでに注目されているのでしょうか。それは、皆さんの暮らしを取り巻く環境や、私たち自身の価値観が大きく変化しているからです。

北九州でも、親世帯と近隣に住むための「サテライトハウス」として、あえてコンパクトハウスを選ぶご夫婦が増えています。「毎日顔を合わせるわけではないけれど、何かあったらすぐに駆けつけられる距離に住みたい」というニーズには、10坪程度の小さな家が立地の良さというメリットを最大限に引き出し、ぴったりと寄り添います。

10坪の「小さな家」がもたらす具体的メリット
経済と暮らしの豊かさ
では、具体的に10坪からの小さな家は、私たちの暮らしにどんなメリットをもたらしてくれるのでしょうか?「狭い」という先入観を一度横に置いて、その可能性を見ていきましょう。
数字で見る大きな経済的メリット
土地代削減
10坪の土地は、30坪の土地に比べて、面積比で単純に土地代を大きく抑えることができます
光熱費削減
高気密・高断熱性能により、毎月の電気代を長期的に見て大きく削減できます
メンテナンス費節約
建物の面積が小さければ、将来的なメンテナンス費用も大きな家に比べて抑えられます
小さな家を選ぶことは、単に「安い家を建てる」ことではなく、生涯にかかる住居費を合理的に最適化するという、非常に賢い経済戦略なのです。浮いたお金は、子どもの教育費、趣味、旅行、老後の資金など、人生を豊かにするための投資に回すことができます。
暮らしと家族の絆を深める「距離感」の豊かさ
家族のつながり
リビングやダイニングが家族の中心になり、自然と顔を合わせる機会が増え、お互いの存在を身近に感じることができます。家族間のコミュニケーションがより活発になります。
家事の効率化
キッチン、洗面所、お風呂、そして洗濯物を干すベランダまでの移動距離が短くなるよう設計することで、家事にかかる時間と労力を大幅に削減できます。
モノを見極める力
強制的に「収納スペースが限られる」状況は、住む人にモノを厳選する力を与えます。おのずと「本当に大切なモノ」だけが残り、家の中はスッキリと整然と保たれます。
10坪でも快適に暮らすための「魔法」
縦の空間活用
床面積が限られている分、階数を増やして延べ床面積を確保します。階段下のスペースを収納として活用するなど、徹底した無駄の排除を行います。
スキップフロア
空間を完全に仕切らず、半階ずらしたスキップフロアは、平米数以上の広がりを感じさせてくれます。お子さんの遊び場、リモートワーク用の書斎、趣味の空間など、多様な使い方ができます。
視線の抜け
大きな窓を設けて外の景色や空を借景として取り込むことで、実際の広さ以上に開放感を感じられます。採光や風通しを最大限に考慮した窓の配置を工夫します。
小さな家は、設計者の知恵と技術が凝縮された、まるで「精密機械」のようなものです。一つ一つの空間に意味を持たせ、無駄を削ぎ落とすことで、面積以上の豊かさが生まれるのです。
北九州で「小さな家」を建てるということ
工務店の役割と知恵
私たちハゼモト建設は、この北九州の地で、長きにわたり家づくりを続けてきました。「地元で生まれ地元で育った工務店」だからこそ、この地域の特性、気候、そして土地の状況を熟知しています。10坪からの小さな家の提案は、北九州の街の特性を考えれば、非常に理にかなった選択肢だと確信しています。
北九州の地域性に合わせた狭小住宅の工夫

「価格と性能」を両方真面目に考える使命
小さな家だからこそ、性能に妥協してはいけないと私たちは強く考えています。面積が小さい分、一つ一つの空間の質が、そのまま暮らしの質に直結するからです。
私たちは、国の基準を上回る性能を追求し、夏涼しく冬暖かい、健康で快適な室内環境を実現します。これは、小さな家に住む家族の健康を守る、最も大切な要素の一つです。
コンパクトハウスは、部材の規格化がしやすく、大空間の家よりも資材の無駄が出にくいという側面もあります。私たちは、建物の性能に直結しない部分でコストを抑える工夫を提案し、価格を抑えながらも、満足度の高い家づくりを目指します。


「多様性」を受け入れる家づくり

小さな家は、私たちの人生の様々なステージに、そっと寄り添い、変化を支えてくれる「頼れる相棒」のような存在なのです。
未来の暮らしへの問いかけと行動提案
このコラムを通して、10坪からの「小さな家」が、単なる「狭い家」ではなく、現代の社会変化、家族スタイルの多様性、そして私たちのミニマルな価値観に寄り添った、豊かさの新しい基準となりうることをお伝えしたかったのです。
私たちは、いつの間にか「広さ=豊かさ」という図式に縛られてしまいがちです。しかし、本当に大切なのは、床面積の数字ではなく、その空間で家族がどんな時間を過ごすのか、そして、家を維持するためにどれだけの時間とエネルギーを費やすのか、ではないでしょうか。

これらの本質的な豊かさを手に入れるための、戦略的な選択なのです。
皆さんへの問いかけ
今、この記事を読んでくださっている皆さんは、ご自身の家づくりに対して、どんな不安や期待をお持ちでしょうか?
「本当に必要な広さはどれくらいだろう?」「今の家族の形に、一番フィットする家ってどんな家だろう?」
もし、少しでも10坪からの小さな家、コンパクトハウスという選択肢に魅力を感じていただけたなら、それは皆さんの心が、新しい時代の豊かさを求めている証拠かもしれません。
「でも、うちは変形地だから…」「北九州のこのエリアは、日当たりが心配で…」といった、狭小住宅ならではの具体的な不安や疑問もたくさんあるかと思います。
どうかご安心ください。
私たちハゼモト建設は、「地元で生まれ地元で育った工務店」として、これまで北九州の様々な土地で、一つとして同じではないお客様の家族スタイルと、その土地の個性に合わせた家づくりを追求してまいりました。

小さな家は、設計の難易度が高い家です。10坪という限られた空間の中で、いかに光と風を取り込み、効率的な動線と十分な収納を確保し、高気密高断熱の性能を両立させるか。そこには、私たち工務店の経験と、狭小住宅に特化した技術と知恵が必要です。
私たちは、単に図面通りに家を建てるのではなく、お客様一人ひとりのミニマルライフの理想、家族スタイルの多様性を深く理解し、その理想を形にするための最良のパートナーでありたいと願っています。

北九州での家づくりを検討されている皆様へ
まずは、皆さんが大切にしたい「暮らしの価値観」を、私たちに聞かせていただけませんか?小さな家が、皆さんの人生にどんな大きな変化をもたらすのか。
その可能性を、私たちハゼモト建設と一緒に探ってみませんか。
皆様との出会いを、心よりお待ちしております。

