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2025.06.03

地域ブログ:「竹害」から「竹財」へ ~地域を照らす光のイベント、そして未来の家づくり~

こんにちは!北九州で新築や注文住宅を手がける、地元生まれ地元育ちの工務店、ハゼモト建設です。

私たちハゼモト建設はこの北九州の地で、地域の皆様と共に歩んでまいりました。日々の暮らしを支えるインフラ整備から、未来を創る建築まで、様々な形で地域づくりに貢献させていただいております。

特に、一生に一度の大きな買い物である新築や注文住宅の家づくりを通じて、お客様の夢を形にし、長く安心して暮らせる住まいを提供することに情熱を注いでいます。地域の気候や風土を知り尽くした工務店として、お客様一人ひとりに寄り添った家づくりを目指しています。

そんな私たちが、今回は北九州の抱える一つの課題と、それに対する素晴らしい取り組みについて、皆様にお伝えしたいと思います。そして、その取り組みから見えてくる、私たちの家づくり、ひいては地域の未来に対する想いをお話しできれば幸いです。

広がる「竹害」問題

北九州市は、豊かな自然に恵まれた美しい街です。市の総面積49,169haのうち、森林面積は19,322haと、約4割を森林が占めています。しかし、この緑の豊かさの一方で、近年深刻化しているのが「竹害(ちくがい)」と呼ばれる問題です。

「竹害」とは、適切に管理されなくなった竹林が、周囲の森林や農地へと侵食していく現象を指します。北九州市内の竹林面積は1,892haで、これは市全体の面積の約10%にあたります。そのうち、適切な管理が行き届いていない放置竹林は1,700haで、竹林面積全体の約92%を占めているというデータがあります。このことから、いかに放置竹林が多いかが分かります。

放置竹林は恐るべきスピードで拡大していきます。

試算によると、北九州市の竹林面積は2000年頃の約1,400haから、2020年には約1,900haに増加しており、2060年には約3,000haに達すると予測されています。これは、毎日テニスコート2.6面分ずつ広がっている計算になります。

なぜ放置竹林が増えているのでしょうか?その背景には、プラスチックなどの代替製品の増加により、竹の需要が減少したことや、輸入材・輸入たけのこの増加、そして高齢化による担い手不足などが挙げられています。かつては様々な用途に使われた竹ですが、時代の変化とともにその利用価値が失われ、手入れされなくなった竹林が増えてしまっているのです。

「竹害」が引き起こす様々な問題

放置竹林は、私たちの生活環境や生態系に様々な悪影響を及ぼします。

まず、放置された竹は密度が高くなり、日光が地面に届かなくなります。これにより、竹以外の植物が育ちにくくなり、生物多様性が失われてしまいます。竹以外の植生が貧弱になると、森が持つ保水能力も低下しやすくなります。また、枯れた竹が残ったままになることで、地表を覆い、森林や田畑への侵入が進みます。一度竹が侵入した土地は、他の植物が育ちにくくなるため、回復させるのが非常に困難になります。

さらに深刻なのは、地滑りや土砂崩れの原因となる可能性です。竹は地下茎を横に伸ばして増えていくため、土を浅い層でしか固定できません。深い根を持つ樹木に比べて、地面をしっかりと支える力が弱いため、大雨などで地盤が緩むと崩れやすくなってしまうのです。特に、傾斜地にある放置竹林は、災害リスクを高める要因となります。私たちの北九州でも、山がちな地域が少なくありません。こうした地域にとって、「竹害」は防災の観点からも非常に重要な課題です。

このように、「竹害」は単に景観が悪くなるだけでなく、私たちの安全や生態系にも関わる、地域の重要な課題となっています。地域に根ざし、人々の暮らしの基盤となる新築や注文住宅を手がける工務店として、こうした地域の課題には無関心ではいられません。

「竹害」を「竹財」へ ~逆転の発想~

この深刻な「竹害」に対し、北九州では逆転の発想で取り組む素晴らしい動きがあります。それが、「竹害」を「竹財(ちくざい)」に変えるという考え方です。

適切に管理されなくなった竹は「害」となりますが、これを有効活用すれば「財産」となり得るのです。放置竹林から竹を伐採し、それを地域のイベントや製品に利用することで、竹林の整備を進めつつ、新たな価値を生み出すことができます。これは、まさに持続可能な地域づくり、そして持続可能な資源活用の一つの形と言えるでしょう。

地域を照らす光のイベント「小倉竹あかり」

「竹害」を「竹財」に変える取り組みの代表例が、「小倉竹あかり」というイベントです。

提供:日本夜景遺産より

このイベントでは、放置竹林から伐採された竹を利用して、一つ一つ丁寧に作られた竹灯籠が会場を彩ります。小倉城周辺を中心に、約3万個もの竹灯籠が設置され、幻想的な光の空間が創り出されます。夜空の下、柔らかな竹の光が小倉城を照らす様子は、まさに圧巻です…。


2025年小倉城竹あかり

開催日:2025年10月24日(金)〜11月3日(月・祝)

時間:点灯 17:30 消灯21:00

開催場所:福岡県北九州市 小倉城・虎ノ門周辺

料金:小倉城竹あかり 観覧料1,000円(中学生以上/小学生以下は無料)

   小倉城・小倉城庭園入場券付き観覧料1,500円(大人)

   小倉城・小倉城庭園入場券付き観覧料1,300円(中高生)

   小倉城・小倉城庭園入場券付き観覧料160円(小学生)


このイベントは、「環境を想う“郷土愛”」と「優しい気持ち」に満ちた、心温まる取り組みです。放置された竹を伐採・利用することで竹林整備に貢献し、さらにその竹を使った灯籠で多くの人々を楽しませ、癒やしを与えています。市民ボランティアの方々が手作りされているという点も、このイベントの温かさを増しています。環境への貢献と地域活性化を見事に両立させた、「竹財」活用の素晴らしい事例と言えるでしょう。終了後は再資源化される点も、SDGsへの取り組みとして注目されています。

実際に「小倉城竹あかり」を体験された方の声として、

「夜の小倉城は昼間とはまったく違う表情を見せてくれます。ライトアップやプロジェクションマッピングが本当に素晴らしく、歴史を感じながらも未来的な体験ができました。」

提供:みんなの観光協会より

という感動の声もあります。また、

「道の両側に竹灯篭が設置され、中のろうそくの灯りがゆらゆらと優しく照らします。」

とその美しさを表現されています。北九州のシンボルである小倉城が、地域資源である竹の光によってさらに魅力的に輝く。これは、まさに地域ならではの素晴らしいイベントです。

世界へ羽ばたく「竹財」の光

この「小倉竹あかり」は、その美しさとコンセプトが高く評価され、シンガポールの国立公園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」でも紹介されました。

「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」では、毎年春に桜をテーマにした企画展「SAKURA」が開催されており、昨年のフローラルディスプレイでは、この「小倉竹あかり」がモチーフの一つとして特別展示されたのです。会場では、小倉城のレプリカと共に、北九州から輸送された約130本の竹灯籠が展示されました。シンガポール国内だけでなく、世界中からガーデンズ・バイ・ザ・ベイを訪れた人たちも、この美しい光景を写真に収めていました。

地域の課題解決から生まれたイベントが、国境を越えて多くの人々を魅了する。これは、北九州の「竹財」が持つ可能性を強く示す出来事だったと言えるでしょう。竹の光が世界を照らす。私たち北九州市民にとって、誇らしい出来事です。

片野子ども食堂Ash たけのこ掘り体験in合馬

余談ですが、北九州市は西日本有数の合馬たけのこや小倉南区のびわの産地としても知られています。合馬たけのこは、土壌に恵まれ香り高く、えぐみが少ないことから、「白いダイヤモンド」と呼ばれるほど高い評価を受けています。びわも、太陽の恵みをいっぱいに浴びて育ち、甘く瑞々しい果実が特徴です。このように、北九州には竹以外にも豊かな農産物があり、地域の「財産」として大切にされています。北九州は「竹林面積日本一」とも言われる竹の産地でもあるのです。

ハゼモト建設の視点から ~地域と家づくりの未来~

私たちハゼモト建設は、北九州で新築や注文住宅を手がける工務店として、このような北九州の環境問題と、それに対する前向きな取り組みに深い関心を持っています。

ハゼモト建設の理念と取り組み

建設業は、地域の環境と密接に関わりながら事業を進めていきます。私たちが建てる新築の家や注文住宅は、その土地の環境に根ざし、長く世代を超えて住み継がれるものです。そのため、持続可能な地域社会の実現に貢献することは、私たちの重要な使命の一つだと考えています。今回ご紹介した「竹害」問題や「小倉竹あかり」のような「竹財」化の取り組みは、まさに私たちが目指すべき方向性を示唆していると言えるでしょう。

地域に根ざした工務店として、私たちは常に、地域の皆様にとって何が最善かを考えています。それは、お客様にとって最高の新築や注文住宅を建てることだけでなく、その家が建つ地域そのものが、豊かで安全で、そして未来に希望を持てる場所であることです。放置竹林の問題は、地域の安全や景観に関わる重要な課題であり、これを解決し「竹財」として活用する取り組みは、まさに北九州の未来を創る活動に他なりません。

北九州市

建設現場で発生する廃棄物の削減やリサイクルはもちろんのこと、地域で発生する未利用資源の活用についても、積極的に検討していく必要があると感じています。例えば、伐採された竹を建設資材の一部として利用できないか、あるいは別の形で地域貢献に繋げられないかなど、様々な可能性を探っていきたいと考えております。地域の資源を地域で活かすことは、地域の活性化にも繋がり、私たちが手がける新築や注文住宅が建つ環境をより良いものにしていくと考えています。

「小倉竹あかり」のように、地域の課題を解決する活動が、同時に地域を活性化し、人々に喜びをもたらす。そして、それが国内外で評価される。こうした好循環を生み出す取り組みを、私たちハゼモト建設も北九州の工務店として応援し、共に参加していきたいと考えています。地域の未来を照らす光は、家々の窓から漏れる温かい光と重なるものだと信じています。

今後も、地域の皆様と共に、より良い街づくり、そして皆様が安心して長く暮らせる新築や注文住宅づくりを通じて、より持続可能な社会の実現に向けて、私たちにできることを精一杯行ってまいります。北九州での家づくりにご興味のある方も、そうでない方も、ぜひ地域の素敵な取り組みに目を向けていただけると嬉しいです。

次回のブログもお楽しみに!

北九州市で新築住宅をご検討の方は、北九州の地域密着で50年余の歴史の弊社へ、ぜひご相談ください!

北九州の土地やお店の情報もたくさんお話しできますよ\(^^)/
北九州にお引越しを予定のかたは、ぜひハゼモト建設をお訪ねください♪♪

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