BLOG

家づくりコラム

家づくりコラム

2023.09.05

猛暑と戦う新時代の住まい: ZEHを超える高性能住宅とは

こんにちは!
価格と性能を両方真面目に考える北九州の「地元で生まれ地元で育った工務店」
ハゼモト建設より家づくりの役に立つ家づくりコラムです。

先日、科学雑誌「Newton」の特集を読む機会がありました。

「灼熱の日本」日本の夏は50℃を超えられるのか?

今、世界で、そして日本で何がおきているか?

誰もが気がついていると思いますが、科学データを確認しながら、私なりにこれからの住宅の役割について考えてみました。

世界的な温暖化の現状と
日本の気温上昇の背景【北九州 新築・注文住宅】

世界的な温暖化の現状と日本の気温上昇の背景【北九州 新築・注文住宅】

私の結論。

ZEHを超える高性能住宅は、これからはマストだということでした。

地球温暖化の進行は、今や否定できない現状となっています。
2021年のシチリア島の山火事やカナダでの異常高温は、その証拠として挙げられます。
これらの異常気象は、地球の温暖化と自然現象が絡み合うことで生じていると言われています。

7~9月の平均気温は全国的に平年より高い
7~9月の平均気温は全国的に平年より高い

日本も世界の他の地域と同様に気候変動の影響を受けており、過去100年間での年平均気温の1.24℃の上昇はその一例です。
気温上昇がもたらす影響は広範で、以下にいくつかの変化と将来の影響を挙げてみましょう。

身の回りの変化

1. 異常気象の増加
暑さや豪雨、台風などの異常気象が増加する可能性があります。
これにより洪水や土砂崩れなどの自然災害のリスクが高まるかもしれません。

2. 海面上昇
温暖化による氷河や氷床の融解により、海面が上昇する可能性があります。
これにより沿岸部の浸水被害が増加し、海岸線が変化することが予想されます。

3. 生態系の変化
植物や動物の生息地が変化する可能性があり、一部の生物種が影響を受けて絶滅する可能性もあります。
生態系のバランスが崩れ、農業や漁業にも影響を及ぼすかもしれません。

4. 食糧供給への影響
気温上昇や異常気象により農作物の生育が影響を受け、食糧供給に影響を及ぼす可能性があります。
これにより食品価格が上昇する可能性があります。

将来の影響

1. 極端な気象イベントの増加
より頻繁な暴風雨や熱波、豪雨などの気象イベントが発生する可能性が高まります。こ
れにより被害が拡大し、社会経済に大きな影響を与えるかもしれません。

2. 健康への影響
高温と湿度の増加により、熱中症や感染症のリスクが増加する可能性があります。
健康への影響が懸念され、公共衛生政策の見直しが必要かもしれません。

3. エネルギー需要と供給の変化
高温期の冷房需要が増加し、エネルギー需要が上昇する可能性があります。
一方で、水力発電などの再生可能エネルギーの供給にも影響が出るかもしれません。

多くの国々で気温の上昇が問題となっている【北九州 新築・注文住宅】
多くの国々で気温の上昇が問題となっている

住宅の役割への変化

1. 気温調整の必要性
気温上昇により、住宅の冷房や暖房の需要が変化する可能性があります。
エネルギー効率の高い建材や断熱材の使用が増加するかもしれません。

2. 耐災性の強化
自然災害のリスクが高まるため、住宅の耐震性や洪水対策などの耐災性を強化する必要性が増すかもしれません。

3. 持続可能なエネルギーの導入
再生可能エネルギーの導入が進み、太陽光発電や風力発電を活用した住宅が増えるかもしれません。
自給自足型のエネルギーシステムが普及するかもしれません。

4. 都市計画と緑地の重要性
都市部では熱島(ヒートアイランド)現象が顕著になる可能性があります。
都市計画において緑地の確保や公共スペースの整備が重要となります。

気温上昇が進むにつれて、社会全体の協力による持続可能な対策が求められます。
住宅もその一環として、気候変動への適応を図るために工夫が今まで以上に求められてきます。

このような状況下で、私たちの住む家にも新しいスタンダードが求められているのです。
特に、夏の暑さを乗り越えるための住まいの工夫や設計が注目されています。

日本の気温上昇の背後には、複数の要因が絡み合っています。偏西風の蛇行やフェーン現象といった
自然現象の影響に加え、地球全体の温暖化がその主要な原因とされています。
この気温上昇は、私たちの日常や農業、観光業、そして健康にも大きな影響をもたらしています。
特に夏の熱中症のリスクは増大し、高齢者や子供たちの健康への影響が懸念されています。
また、雪の減少はスキーリゾートの経済に影響を及ぼし、豪雨や台風の増加は災害リスクを高めています。

環境省から2019年に「2100年 未来の天気予報」が公表されています。
https://www.env.go.jp/press/107008.html

環境省「2100年 未来の天気予報」【北九州 新築・注文住宅】
環境省「2100年 未来の天気予報」

このまま有効な対策を取らずに地球温暖化が進行すると、2000年頃からの平均気温が最大4.8℃上昇すると
予測されています。本動画は、気候変動政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の[RCP2.6]と[RCP8.5]の
ケースを想定し、また、最新の気象状況等を踏まえ、産業革命以前からの気温上昇を1.5℃に抑える目標を
達成した2100年と、その目標を達成できなかった2100年の天気予報です(※)。

ZEHを超える高性能住宅の必要性【北九州 新築・注文住宅】

ZEHを超える高性能住宅の必要性【北九州 新築・注文住宅】

 

地球温暖化の影響により、日本を含む多くの国々で気温の上昇が問題となっていますし、福岡も2100年には
41.9℃の夏がきます。
このような状況下で、私たちの住む家が持つ役割は非常に大きいと言えます。
特に、Zero Energy House(ZEH)基準を超える高性能住宅は、気候変動の影響を受けにくく、
住む人々に快適さと安全性を提供することができます。
高性能住宅は、断熱性能、気密性能、耐震性、省エネ性などの高い性能を持つ住宅を指します。
具体的には、以下のような特徴があります。

断熱性能+保温性
住宅の内部から床、外壁、屋根などを通して外部への熱の逃げを最小限に抑えることができます。

断熱性能+気密性能
家の中にどれだけの隙間があるかを示すC値が低いことを意味し、
これにより外部からの冷気や熱気の侵入を防ぐことができます。

気密性能+24時間換気
24時間換気システムを効果的に使用することで、新鮮な空気を常に供給しながらも、
エネルギーの無駄を減らすことができます。

ZEH+パッシブ設計
エネルギー消費量をゼロにするZEH住宅に、自然のエネルギーを取り入れるパッシブ設計を組み合わせることで、
快適な住環境を実現します。

高性能住宅のメリット

1. エアコン1台で家中快適
高い断熱性能と気密性能により、1台のエアコンで家全体を快適に保つことができます。

2. 省エネに貢献
保温性が高いため、冷暖房のエネルギー消費を大幅に削減できます。

3. 乾燥機不要で洗濯物が室内で乾く
高い断熱性能と気密性能により、室内の湿度を適切に保つことができます。

4. 室内外の音を気にせずに過ごせる
外部の騒音や隣家の音が気になりにくくなります。

5. 結露を防ぎ、耐久性が向上
高い気密性能により、結露のリスクが低くなり、家の耐久性が向上します。

高性能住宅への取り組みとその重要性【北九州 新築・注文住宅】

高性能住宅への取り組みとその重要性【北九州 新築・注文住宅】

KitaQ Zero Carbonは、一つひとつのアクションを集めて 気候変動対策にみんなで取り組むプロジェクト【北九州 新築・注文住宅】
KitaQ Zero Carbonは、一つひとつのアクションを集めて 気候変動対策にみんなで取り組むプロジェクト

環境首都を目指す北九州市。
KitaQ Zero Carbon(キタキューゼロカーボン)」というプロジェクトで脱炭素という課題を乗り越えようとしています。

今は小さな取り組みですが、市民一人ひとりの取り組みの重要性を政府も自治体もはっきりと認識しています。

地球温暖化の進行によって、将来の気温上昇が予測される福岡での41.9℃という高温は、人々の健康や
快適な生活に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況を踏まえ、2030年に義務化される予定の
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を超える高性能住宅がなぜ重要なのかについて再度説明いたします。

ZEHとは、一年間のエネルギー消費量と同程度以上のエネルギーを自己生成し、建物のエネルギーバランスを
ゼロにする住宅のことを指します。これに加えて、地球温暖化の進行による高温を考慮した高性能住宅が
求められる理由は以下の通りです。

快適な居住環境の確保

高温の気候では、適切な断熱や冷房システムが必要です。
高性能住宅は断熱性能や空調設備の質を高め、快適な室温を維持することができます。

エネルギー効率の向上

ZEHを超える高性能住宅は、再生可能エネルギーの活用やエネルギー効率の高い設備を採用することで、
少ないエネルギーで快適な室温を維持できるよう設計されます。これにより、エネルギー消費を抑えつつ
温室効果ガスの排出削減に貢献できます。

健康への配慮

高温環境下での居住は健康リスクを伴う場合があります。
高性能住宅は、室内の空気質を管理し、快適な居住環境を提供することで、住民の健康を保護します。

持続可能な社会の構築

地球温暖化の進行を抑制し、環境への影響を最小限に抑えるためには、エネルギー効率の高い住宅が重要です。
高性能住宅の採用は、住宅部門のエネルギー消費と関連する温室効果ガス排出を削減し、持続可能な社会の
実現に寄与します。

技術の進化と経済効果

高性能住宅の需要が増えることで、新たなエネルギー技術や建材の開発が促進される可能性があります。
また、省エネルギー設備の普及により、エネルギーコストの削減が期待されます。

総じて、高温環境の中で快適な居住環境を維持し、持続可能なエネルギー消費を実現するために、
2030年に義務化される予定のZEHを超える高性能住宅が不可欠です。
これにより、住民の健康と地球環境の保護が両立される住宅づくりが進むことが期待されます。

高性能住宅は、現代の気候変動の中で、私たちに安全で快適な生活を提供するための最適な選択と言えます。

高い性能は、エネルギーの節約や快適な生活環境の実現に大きく貢献しています。
また、環境への影響を最小限に抑えるエコロジカルな側面も持っています。
今後も、このような住宅の普及が進むことを期待しています。私たちハゼモト建設としても、
お客様に最高の住環境を提供するため、高性能住宅の提供に注力してまいります。

この記事をSNSでシェアしよう♪