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家づくりコラム
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2023.08.07
高性能住宅でのエアコン選び
こんにちは!
価格と性能を両方真面目に考える北九州の「地元で生まれ地元で育った工務店」
ハゼモト建設より家づくりの役に立つ家づくりコラムです。
暑い日が続きます。
子供の頃は、夏休みが楽しみだったのですが、それも随分前の記憶で、子育てが終わり、
今では夏休みに入っていたことすら気づかない年齢だと気がつきました。
私たちには、3つの本気というスローガンがあります。
その一つが、「北九州の子育て家族を応援する」というスローガンです。
まず大切なことは、命と健康をしっかり守る家をつくることです。
命と健康を守る。
シンプルですが、この言葉の意味を深掘りして考えると、我々建築屋の本分が問われているような気がします。
INDEX
エアコンの効率を上げる【北九州 新築・注文住宅】
エアコンの効率を上げる【北九州 新築・注文住宅】
普通の平時の時に、問題がある家は、ほぼありません。建築基準法で定められてクオリティであれば、
平時に問題が起きることは稀です。平時でない時、非常時にその家の本質を問われます。
例えば、大雨の時や台風の災害時、何の前触れもなく起こる地震の時。猛暑もその中の一つといえます。
地球温暖化が顕著となり、今までよりも暑い夏を経験することが増えてきました。エアコンは贅沢品だと
言われていた、昭和の時代と気候も随分と変わってきて、今や住宅の必須アイテムとなっています。
しかし、エアコンだけに頼るのではなく、家そのものが暑さを和らげる設計になっていることが重要です。
例えば、遮熱材を使った断熱性能の高い家や、風通しを良くする設計などが考えられます。
また、エアコンを使う際も、適切な温度設定や運用方法が重要です。冷房を強くしすぎると、体調を崩す
原因にもなりますし、エネルギー消費も増えます。適切な温度設定とは、外部の気温と室内の温度差を
あまり大きくしないことです。一般的には、外部の気温から5度程度低い温度が適切とされています。
さらに、エアコンの効率を上げるためには、カーテンやブラインドを使って日射を遮る、扇風機を併用するなどの
工夫も有効です。これらの方法を取り入れることで、エアコンの使用時間を減らし、電気代を節約することも可能です。
重要なポイントですので、改めてまとめておきます。
住宅の性能を上げることでエアコンの効果を高めるためには、以下のような要素を考慮することが重要です。
断熱性能
高い断熱性能を持つ家は、冷暖房の効果を長持ちさせることができます。断熱材をしっかりと使用し、
窓やドアの隙間からの風の侵入を防ぐことで、エアコンの効果を最大限に引き出すことができます。
気密性
高い気密性を持つ家は、外部からの熱の侵入や内部の冷気の逃げを防ぎます。
これにより、エアコンの冷暖房効果を保つことができます。
日射対策
窓ガラスに遮熱フィルムを貼ったり、遮熱カーテンを使用したりすることで、日射熱を軽減し、
エアコンの冷房効果を高めることができます。
換気システム
適切な換気システムを設けることで、室内の湿度を適切に保つことができます。湿度が高いと人は暑さを
感じやすくなりますので、適切な換気によりエアコンの効果を高めることができます。
エアコンの設置位置
エアコンの設置位置も重要です。エアコンの風が直接人に当たらないようにするとともに、冷暖房の風が
部屋全体に行き渡るように設計することが求められます。
これらの要素を考慮し、住宅の性能を上げることで、エアコンの効果を高めることが可能です。
エアコンの能力と
部屋の大きさの関係【北九州 新築・注文住宅】
エアコンの能力と部屋の大きさの関係【北九州 新築・注文住宅】
エアコンの能力と部屋の大きさの関係は、確かに古い基準に基づいています。
一般的には、エアコンの冷暖房能力は、そのエアコンが一定の時間内に移動できる熱量(通常は1時間あたりの熱量)
で表されます。これは「馬力」や「BTU(British Thermal Unit)」、「W(ワット)」などの単位で表されます。
古い基準では、部屋の大きさ(特に床面積)とエアコンの能力を直接関連付けていました。
例えば、一定の床面積あたりに必要なエアコンの能力を指定するなどです。しかし、これは部屋の断熱性能や気密性、
窓の大きさと位置、日射量、居住者の数や生活スタイルなど、他の多くの要素を考慮していません。
現代の高性能住宅では、これらの要素すべてが考慮されます。高い断熱性能と気密性を持つ家では、
必要なエアコンの能力は古い基準よりもはるかに低くなる可能性があります。
これは、高性能な断熱材と気密性が、室内の温度を一定に保つのに役立つからです。
また、窓の位置や大きさ、日射量などもエアコンの能力に影響を与えます。例えば、南向きの大きな窓からの
強い日射により、エアコンの冷房能力が必要となる場合があります。特に夏場には、日射が直接室内に
入り込むことで室温が上昇し、エアコンが必要な冷房負荷が増える可能性があります。
しかし、適切な日射対策を行うことで、このような影響を軽減することが可能です。例えば、遮熱カーテンや
遮熱フィルムを窓に取り付けることで、日射の直接的な影響を抑えることができます。
また、遮陽ブラインドや窓外の日よけなどを利用することで、日射を部屋の外で遮断することも可能です。
さらに、窓の配置や大きさを工夫することで、自然換気を促進し、エアコンの使用を抑えることも可能です。
例えば、風の通り道となる窓を対角線上に配置することで、風を効率よく室内に取り入れることができます。
これらの対策により、エアコンの効率を上げ、エネルギー消費を抑えることができます。
これは、高性能住宅における重要なポイントであり、快適な室内環境を維持するための重要な要素となります。
エアコンの選び方は、一見すると部屋の大きさ(畳数)とエアコンの能力(馬力やBTUなど)を
一致させるだけのように思えますが、実はもっと複雑です。特に、最近の高性能住宅では、
古い基準に基づくエアコンの選び方が必ずしも適していないことがあります。
なぜなら、エアコンの能力と部屋の大きさの関係は、1964年に制定された基準に基づいています。
これは、55年以上も前の家の基準であり、現代の高性能住宅の断熱性能や気密性を考慮していません。
たとえば、昭和55年の基準では、Q値(熱損失係数)が5.2以下であれば良いとされていましたが、
平成11年の基準では、Q値が2.7以下であることが求められています。これは、断熱性能が向上している
ことを示しています。Q値が小さいほど、家は熱が逃げにくく、冷暖房の効率が良くなります。
【換算方法】
◆Q値×0.37-0.13=UA値
出典:HEAT20設計ガイドブック/近畿大学・岩前教授計算式より・・・この換算式の意味は、
Ⅵ地域のQ値2.7の逆数(1÷2.7)=0.37で、そこから換気の熱損失割合(三種の標準として13%)を
引いているそうです。
◆換算Q値=2.58×UA値+0.3916
出典:https://jutaku.homeskun.com/assets/images/contents/legacy/syouene/analysis/comparison_ua_q.pdf
逆算すると、昭和55年基準のQ値5.2はUa値1.86、平成11年基準のQ値2.7は0.89となります。
ZEH基準が0.6ですので、昭和の家は3倍以上も断熱性能で劣る計算になります。
しかし、エアコンの選び方の基準は、このような変化を反映していません。そのため、新築の家や
リフォームした家で古い基準に基づいてエアコンを選ぶと、エアコンの能力が過剰になる可能性があります。
では、どのようにして最適なエアコンを選べば良いのでしょうか。そのためには、エアコンの能力(kW)の
最大値と範囲、そして建物の種類、家の断熱性能、部屋の向き、部屋の広さなどを考慮する必要があります。
具体的には、「エアコン選定ツール(asst)」というツールが便利です。
これは、電力中央研究所が公開しているツールで、住んでいる地域や、家のどの部屋に設置するか、
どのようにエアコンを使うかを入力すると、適切なエアコンの出力能力が表示されるということですが、
高性能住宅レベルの想定はされていません。
それでもこのツールを活用すると、家電量販店さんのセールストークが、何だかおかしいと気が付くはずです。
ちなみに、メーカーさんのカタログで20畳用を探すと6.3kwがオススメとなりますが、
このツールを活用すると4.0KW。金額面も魅力的です。
これを知らないと、結果的にオーバースペックの機種をススメられることになります。
もちろん、お客様の家の性能はわかりません。
悪気は無くても、最悪な環境でも十分対応できる機種をオススメしておくことが、販売員さんのリスクヘッジになります。
効果が出ないというクレームが起きずに、価格が高くなるので売り上げが上がる。
販売員さんには良い事ばかりです。
「エアコン選定ツール(asst)」に表示された能力を満たすエアコンを選べば、エアコンの効率を
最大限に引き出すことができます。メーカーによっては、さまざまな追加機能が付いているエアコンも
ありますので、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶと良いでしょう。
エアコンの暖房能力は
概ね3段階しかない【北九州 新築・注文住宅】
エアコンの暖房能力は概ね3段階しかない【北九州 新築・注文住宅】
畳数には6畳用~29畳用といくつも種類がありますが、実は暖房の最大能力には概ね3段階しかありません。
<エアコンの最大暖房能力には概ね3段階>
・6畳用(100V)~
・10畳用(100V)~
・14畳用(200V)~※
同じ暖房能力のエアコンを選べば、それが何畳用であっても、暖房の最大能力は変わりません。
その最大暖房能力の一番強くなる境目が主に14畳用(200V)※なんです。
※能力の境目はメーカー、シリーズによって異なります。18畳用が境目のケースもあります。
要するに、10畳用を購入するのも、14畳用(100V)を購入するのも、暖房能力で言えば同じであること。
しかし、実際は対応畳数が大きければエアコンの購入費用も高くなります。
これまで「畳数」だけに頼ってエアコンを選んでいた方は、もしかしたら損をしていたのかもしれません。
出典:株式会社無添加計画
エアコンの効率的な使用方法【北九州 新築・注文住宅】
エアコンの効率的な使用方法【北九州 新築・注文住宅】
エアコンの効率的な使用方法は、主に次の3つのポイントに集約されます。
1つ目は、適切な温度設定です。冷房時は28度、暖房時は20度を目安に設定することが推奨されています。
これは、エネルギー消費を抑えつつ、人間が快適に感じる温度を保つための設定です。
2つ目は、適切な風量と風向です。風量は、部屋の大きさや人数、季節によって調節することが必要です。
風向は、直接人に当たらないように設定することが望ましいです。
3つ目は、定期的な清掃とメンテナンスです。エアコンのフィルターは、定期的に掃除をすることで、
エアコンの効率を保つことができます。
次に、住宅の設計について考えてみましょう。
住宅の設計は、エアコンの効率的な使用を大いに左右します。
例えば、家の断熱性能が高いと、エアコンの効果が長持ちし、エネルギー消費を抑えることができます。
また、窓の位置や大きさ、カーテンの使用なども、室内の温度に大きな影響を与えます。
これらの要素を考慮に入れた上で、住宅を設計することで、エアコンの効率的な使用と快適な室内環境の両立が
可能になります。
さらに、エアコンの選び方も重要なポイントです。
エアコンの性能は、APF(通年エネルギー消費効率)で評価されます。APFが高いほど、エアコンのエネルギー効率が
良いと言えます。また、エアコンのサイズも重要です。部屋の広さに合わないサイズのエアコンを選ぶと、
エネルギーの無駄遣いにつながります。
以上のように、エアコンの効率的な使用方法と住宅の設計は、エネルギー消費の観点から非常に重要です。
これらを理解し、適切に行動することで、エネルギーの節約と快適な生活環境の両立が可能になります。
ハゼモト建設では、これらの暑さ対策を考慮した家づくりを行っています。私たちのスローガン
「北九州の子育て家族を応援する」の一環として、家族全員が快適に過ごせる家を提供することに
最善を尽くしていきます。
地球環境が激変していますが、いかなる状況でも命と健康を守ることは、
『地元で生まれ地元で育った工務店』の使命であることに変わりはありません。