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2023.07.19
ZEH住宅の認定を太陽光発電なしで受ける方法とは? 補助金も解説
こんにちは!
価格と性能を両方真面目に考える北九州の「地元で生まれ地元で育った工務店」
ハゼモト建設より住まいと建築の知識をお届けするブログコーナーです。
都市部の狭小地や多雪地域など、太陽光発電に向かない地域があります。さて、そのような地域で
ZEH(ゼッチ)住宅の認定を受けることは可能なのでしょうか?そもそも、意味があるのでしょうか?
じつは「ZEH Oriented」の制度を利用すれば、太陽光発電なしでも認定を受けられます。
創エネはできませんが、ゼッチ性能の快適な家で過ごせて、補助金を利用することもできます。
本稿では、太陽光発電なしでZEH住宅の認定を受ける方法とそのメリットについて詳しく紹介します。
あなたも、ZEH住宅の認定を目指してみませんか?きっと、新たな可能性が広がりますよ。
INDEX
ZEH(ゼッチ)住宅の認定を
太陽光発電なしで受ける方法
ZEH住宅の認定を受けると、補助金や減税制度を活用することが可能となります。
しかし、その条件として再生可能エネルギーの導入が必須になっています。
特に、太陽光発電はその代表的な手段として知られています。
しかし、都市部の狭小地に家を建てる場合、屋根の面積や陽の当たる面積が狭く、
十分な発電量が期待できないという問題があります。
では、このような状況でも太陽光発電を設置しなければならないのでしょうか?
都市部狭小地のみ「ZEH Oritented」で申請可
先述のとおり、ZEH住宅の認定を受けるためには、一般的には太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入が
必須とされています。
しかし、都市部の狭小地に家を建てる場合、太陽光発電の設置が難しいという問題があります。
そこで、ZEH基準を超える断熱性・省エネ性を備えていれば、太陽光発電がなくてもZEHとして認定される
「ZEH Oriented(ゼロ・エネルギー・ハウス指向型住宅)」という制度があります。
ZEH Orientedは、ZEHを指向した先進的な住宅として、外皮の高断熱化と高効率な省エネルギー設備を備えた住宅を指します。
ZEHと同じく、外皮性能が強化外皮基準を満たしていること、そして太陽光発電などを除く一次エネルギー消費量が
省エネ基準から20%以上削減されていることが求められます。
一方、再生可能エネルギーの活用は条件から外されていますので、太陽光発電設備を利用する必要はありません。
なお、都市部狭小地とは、具体的には北側斜線制限の対象となる用途地域を指します。
つまり、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域のことです。
また、敷地面積が85㎡未満であることも要件になっています。
ただし、住宅が平屋建ての場合はこの制度の対象外となります。
ZEH Orientedの制度を利用すれば、太陽光発電の設置が難しい都市部の狭小地でも、ZEHの認定を受けることが可能となります。
これにより、省エネと快適な住環境を両立した住宅を補助金や減税制度を活用して新築することができます。
「ZEH Oriented」を建てる流れ
「ZEH Oriented」を建てる流れは以下のようになります。
まず、ZEH認定ビルダーまたはプランナーを探し、相談します。
ZEH認定ビルダーは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業の趣旨と「ZEHロードマップ」の意義に基づき、
自社が受注する戸建住宅のうちZEHが占める割合を50%以上とする事業目標を掲げるハウスメーカー・
工務店・建築設計事務所・リフォーム業者・建売住宅販売者などが該当します。
一般社団法人環境共生イニシアチブ(Sii)のホームページで検索することができます。
次に、プランと見積もりを作成してもらいます。
この段階では、ZEH Orientedの条件を満たすための設計や設備選定について詳しく相談することが重要です。
プランが決まったら、ZEH認定ビルダーを通して申請を行います。
その後、ZEH Orientedの条件を満たす住宅を建て、新築の完了報告をZEH事務局に行います。
これにより、太陽光発電を設置せずにZEHの認定を受けることが可能となります。
ZEH住宅を太陽光発電なしで建てる
メリットとデメリット
つづいて、ZEH Orientedのメリットとデメリットをご紹介します。
「ZEH Oriented」のメリット・便益
まずは、ZEH Orientedのメリットをふたつご紹介します。
補助金や減税制度が使える
「ZEH Oriented」を選択する最大のメリットは、太陽光発電を設置しなくてもZEH住宅と同様に、
環境省と国土交通省の補助金制度が利用できることです。
具体的には、環境省の「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」や国土交通省の
「地域型住宅グリーン化事業」「こどもエコすまい支援事業」などが該当します。
これらの補助金制度を利用することで、省エネルギー住宅の建設費用を抑えることが可能となります。
また、「ZEH Oriented」は「ZEH水準省エネ住宅」として住宅ローン減税の対象となります。
住宅ローン減税の申請手続きにおいて、断熱等性能等級(断熱等級)5と一次エネルギー消費量等級
(一次エネ等級)6を証明できればOKです。
証明書類としては、建設住宅性能評価書の写しまたは住宅省エネルギー性能証明書が必要となります。
これにより、住宅ローンの負担を軽減することができます。
夏涼しく冬暖かい環境を低コストで実現できる
「ZEH Oriented」のもう一つの大きなメリットは、夏涼しく冬暖かい環境を低コストで実現できることです。
太陽光発電が載っていないだけで、省エネ性能はZEHと変わらないのです。
つまり、高断熱・高気密の住宅を建てることで、エアコンやヒーターに頼り過ぎることなく、
一年中快適な室温を保つことが可能となります。
さらに、2030年には、新築住宅が達成すべき「省エネ基準」がZEH水準に引き上げられる予定です。
これにより、現在、一般的に建てられている省エネ基準未満の住宅は価値が低下し、需要も減少すると予想されます。
一方で、ZEH Orientedは省エネ性能が高いため、将来的に売却する際にも有利になることが期待できます。
これらのメリットを考慮に入れると、ZEH Orientedは非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
「ZEH Oriented」のデメリット・注意点
つづいて、ZEH Orientedのデメリットや注意点をご紹介します。
創エネできない
「ZEH Oriented」には、一部デメリットや注意点も存在します。
その一つが、太陽光発電が載っていないために発電ができないという点です。
これは、ZEH住宅と比較して電気代が高くなる可能性があることを意味します。
また、自家発電した電力を電力会社に売ることもできません。
これらのデメリットは、ZEH Orientedを選択する際に考慮すべき重要な要素です。
しかし、太陽光発電を搭載しない分、初期費用は抑えられます。
そのため、自身のライフスタイルや住環境に合わせて、最適な選択をすることが重要です。
ZEHと比べると、補助金額が低い
「ZEH Oriented」には、補助金額がZEHと比較して少し低くなるというデメリットもあります。
具体的には、国土交通省が実施している「地域型住宅グリーン化事業」の補助金の上限額が、
ZEH Orientedの場合は80万円/戸となります。
これは、長期優良住宅の認定を受けたZEH・Nearly ZEHが110万円/戸、
ZEH・Nearly ZEHが105万円/戸と比べると、少し低い金額となります。
しかし、補助金額が少し低いというデメリットを考慮する一方で、ZEH Orientedは太陽光発電を
設置できない地域の人々にとって、省エネルギー住宅を手に入れるための有効な選択肢となり得ます。
ZEH住宅とは、どんな家か?
太陽光発電なしでも意味があるのか?
最後に、ZEH住宅の特徴をご紹介したあと、ZEH Orientedを採用する意味があるのか考察して終わりたいと思います。
ZEH住宅とは
ZEH住宅の特徴は、一年間で消費するエネルギー量より自宅で生産するエネルギー量が多い、
つまり「家で使うエネルギー量 ≦ 家でつくるエネルギー量」になることです。
さらに、外皮(外壁や屋根、窓など)の断熱性能が強化された家であり、再生可能エネルギー(太陽光発電など)を
導入することが条件となっています。
つまり、快適な温度環境を低い電気代でつくれる家ということです。
ZEHの条件としては、まず外皮性能が強化外皮基準を満たしていることが求められます。
これは、家の断熱性能を高めることで、冷暖房のエネルギー消費を抑えるためのものです。
また、再生可能エネルギーを導入することも必要で、その容量は問われません。
さらに、太陽光発電などを除く一次エネルギー消費量は、省エネ基準から20%以上削減することが求められます。
これを達成するためには、効率がよい空調機器や給湯器、LED照明などが必要です。
そして、太陽光発電などを含む一次エネルギー消費量は、省エネ基準から100%以上削減することが必要とされています。
これらの条件を満たすことで、ZEH住宅と認定されます。
しかし、太陽光発電の設置が難しい地域に住んでいる方や、太陽光発電設備を設置せずに
ZEH認定を取得したい方もいるでしょう。
その場合でも、「ZEH Oriented」という選択肢があります。
太陽光発電がなくても経済的に暮らせる
「ZEH Oriented」は、太陽光発電設備を設置せずにZEHの認定を受けることができる住宅のことを指します。
その断熱性能や高効率設備の利用条件はZEHと同じで、非常に省エネ性能が高いという特徴があります。
これにより、冷暖房の光熱費を低く抑えることが可能となります。
換気設備や照明設備、給湯設備の消費エネルギーも少なくなります。
しかし、太陽光発電設備がないため、自家発電による電力供給はできません。
そのため、ZEHと比較すると電気代が高くなる可能性があります。
とは言え、省エネ基準以下の断熱性能の家と比べると、相当に経済的な暮らしができるでしょう。
まとめ:太陽光発電なしでもZEH住宅を建てる意味あり!
本稿では、太陽光発電なしでZEH住宅の認定を受ける方法とそのメリットについて詳しく解説しました。
都市部の狭小地でも、太陽光発電なしでZEH住宅の認定を受けることは可能です。
ZEH住宅は、真夏や真冬でも快適に過ごせるだけでなく、経済的にも優れています。
太陽光発電がなくても、補助金を活用することで、省エネルギー住宅を実現することができます。
あなたも、この機会に太陽光発電なしでZEH住宅の認定を目指してみませんか?
新たな可能性が広がることでしょう。快適で経済的な生活を手に入れるための一歩を、今、踏み出してみてください。
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