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2023.07.19
ZEH(ゼッチ)住宅のデメリットとは?意味ない、後悔するって本当?
こんにちは!
価格と性能を両方真面目に考える北九州の「地元で生まれ地元で育った工務店」
ハゼモト建設より住まいと建築の知識をお届けするブログコーナーです。
あなたは「ZEH住宅に興味あるけど、建てて後悔しないだろうか?」とか「初期費用やメンテナンスコストが高いから、電気代が安くなっても意味ないのでは?」と心配されていないでしょうか?
その悩みは、デメリットを正しく理解し、対策することで解消できます。また、ZEH住宅について詳しく知ることで、メリットを最大限に引き出すこともできます。
本稿では、ZEH住宅のデメリットとその対策、そしてZEH住宅を選ぶメリットについてご紹介します。あなたも、この機会にZEH住宅を理解して、自分に適した住まい選びができるようになりませんか。
INDEX
知っておきたいZEH住宅のデメリットやリスク
まずは、知っておきたいZEH住宅のデメリットやリスクからご紹介します。
初期費用やメンテナンスコストがかかる
ZEH住宅は、高額な初期費用やメンテナンスコストが必要です。
ZEH住宅は、その省エネ性を実現するために、性能が高い断熱材や断熱性能が高い窓サッシ、高効率の住宅設備、太陽光発電などを導入する必要があります。
これらはすべて高品質な建材や設備であり、それぞれがコストを引き上げる要因となります。
たとえば、性能が高い断熱材は温度の変化を抑えて快適な住環境を保つ役割を果たしますが、そのコストは通常の断熱材に比べて高価です。
また、断熱性能が高い窓サッシも同様で、外部の気温変化から室内を保護するための設備ですが、そのコストは一般的な窓に比べて高くなります。
太陽光発電もまた、創エネするために必要な設備ですが、初期費用がかかります。
これらの高性能な設備や建材を導入することにより、ZEH住宅は建築費が一般的な住宅に比べて高額になることがあります。
また、これらの設備のメンテナンスや更新も考慮に入れる必要があります。
したがって、ZEH住宅の導入を検討する際は、これらの初期費用やメンテナンスコストもあわせて検討することが重要です。
お住まいの地域によって有利・不利がある
さて、ZEH住宅を検討する際に、一つ重要な考慮点となるのが、お住まいの地域の特性です。
日本は北から南まで広範囲に渡る国土を持ち、地域によって日照時間や気候の差が大きく、それが太陽光発電の効率に影響を与えます。
つまり、日照時間が長く、晴天が多い地域ほど、ZEH住宅の利点を最大限に活かすことが可能となるのです。
一方、冬季の日照時間が短く、雪が降る地域では、太陽光発電の発電量が大幅に減少します。
これは、ZEH住宅のエネルギー供給が不安定になる可能性があることを示しています。
また、気候条件が激しい地域では、太陽光パネルのメンテナンスが難しくなる場合もあります。
たとえば、台風が多い地域では、太陽光パネルが損傷しやすく、修理や交換が必要になる場合もあります。
このような地域特性を考慮しながらZEH住宅を選択することは、長期的な運用を考える上で非常に重要です。
思いどおりの外観や屋根形状にできない場合がある
ZEH住宅を検討する上で、外観や屋根形状の制限も考慮に入れるべき一つのポイントです。
ZEH住宅は、太陽光発電量が多ければ多いほど有利です。
そのため、建築家は少しでも多くの太陽光パネルを積むべく、屋根形状を考えます。
しかし、これにより自由なデザインや間取りが制約される可能性も出てきます。
例えば、太陽光パネルを最大限に設置するためには、南向きの屋根がベストです。
しかし、南向きに大きな屋根を取ろうと思うと、建物の向きが制約される可能性があります。
このような制約は、一部の人にとっては住宅の美観を損なうと感じるかもしれません。
さらに、屋根の形状や向きは、間取りにも影響を与えます。
例えば、南向きの大きな屋根を確保するためには、建物が四角形に近い形になりがちです。
これにより、自由度の高い間取りを希望する方にとっては、思うような間取りにすることが難しくなるかもしれません。
そのため、自分の理想とする住まいのデザインや間取りを妥協せずに実現したい場合、ZEH住宅の選択には慎重さが求められます。
ZEH住宅ならではのメリットや便益
つづいて、ZEH住宅ならではのメリットや便益をご紹介します。
夏涼しく冬暖かい環境を低コストで実現できる
まず、ZEH住宅の一番の魅力とも言える、夏涼しく冬暖かいという環境を低コストで実現できる点について解説します。
ZEH住宅は、魔法瓶のような保温能力を持っています。
これは、一度室温を冷やしたり温めたりすると、その温度を長時間維持することが可能ということです。
そのため、冷暖房のコストを削減することが期待できます。
また、ZEH住宅では大がかりな全館空調設備を導入しなくても、数台のエアコンだけで同じような環境をつくることが可能です。
これにより家中の温度差が少なくなり、冬の廊下やトイレ、洗面脱衣室も寒くならないというメリットもあります。
以上の特徴から、ZEH住宅の初期費用とメンテナンスコストは、ある程度ランニングコストで差し引くことができます。
これらは、ZEH住宅の購入を検討している方にとって重要な判断基準となるでしょう。
日々の電気代を抑えたり、余った電気を売ったりできる
ZEH住宅が日々の電気代を抑えるだけでなく、余った電気を売ることも可能という特性について説明します。
ZEH住宅は保温性が非常に高いため、冷暖房の消費エネルギーを抑制することが可能です。
これは、特に冬季や夏季のエネルギー消費量が高い時期に大きなメリットとなります。結果的に、電気代の節約に寄与します。
さらに、ZEH住宅は太陽光発電を利用して自家消費するエネルギーを作ることができます。
そのため、電気を外部から購入する量がさらに減ります。
もし発電量が消費量を超えた場合、余った電気は電力会社に売ることも可能です。
これは家計にとって大きなプラスとなります。
これらの要素から、ZEH住宅は日々の電気代を抑えるだけでなく、エネルギーを効率的に利用することで家計をサポートする存在と言えます。
ZEH住宅の長期的なメリットを検討している方にとって、非常に有益でしょう。
病気にかかりにくくなり、医療費の低減が期待できる
ZEH住宅は、一年を通じて快適な生活空間を提供するだけでなく、健康面での利点も大いにあります。
ZEH住宅の一つの特徴である高断熱性は、家中の温度差を小さくし、どの部屋も適度な温度を維持することを可能にします。
これにより、体へのストレスが減少し、一部の病気にかかりにくくなると考えられます。
また、急な温度変化によるヒートショックのリスクも軽減することができます。
さらに、国土交通省の調査では、室温が18度以下の住宅に住む人は、18度以上の住宅に住む人に比べて健康を損ないやすいことが分かっています。
例えば、総コレステロールが2.6倍、心電図異常の所見が1.9倍、ヒートショックリスクが約1.8倍といった傾向があることが明らかにされています。
このことからも、住環境が健康に及ぼす影響の大きさがわかります。
また、高気密高断熱や計画換気がそろった住宅では、結露やカビの発生も抑えられます。
これらが原因となる健康問題も改善が期待できます。
結果として、医療費の節約にもつながると言えるでしょう。
ZEH住宅は、意味ない?後悔しないための対策
最後に、ZEH住宅を選ぶ意義について解説します。後悔しないための対策もご紹介しましょう。
ZEH住宅を選ぶ意義は大きい!2030年には標準に
2025年4月以降、全ての新築住宅に「省エネ基準」への適合が義務付けられます。
その背景には、環境への配慮と、エネルギー消費量削減という国の方針があります。
そして、この基準は、2030年に更に厳格化され、ZEH基準に引き上げられる予定です。
この方向性からも、ZEH住宅の時代が確実に訪れていることが見て取れます。
国はZEHを一般化しようとしており、そのためには、我々一般市民もその流れを理解し、ZEH住宅への理解を深めることが求められます。
また、10年、20年後には非ZEH住宅の中古売買価値が下がるかもしれないという視点も重要です。
ZEH住宅が一般化すれば、今後、ZEH住宅は中古住宅の売買市場で有利になると考えられています。
エネルギー効率の良い住宅は、ランニングコストを抑えることができるため、中古市場でも需要が見込まれます。
ZEH住宅を選択することは、環境保護だけでなく、経済的なメリットも兼ね備えています。
この視点からも、ZEH住宅の選択は、後悔しないための重要な対策といえるでしょう。
コストアップ分は、補助金を活用して補填しよう
ZEH住宅の建築は、一般的な住宅に比べてコストが上がるというのは事実です。
より良い断熱材やエネルギーを生み出す設備を設置するための初期投資が必要になります。
しかし、ここで大切なのは、そのコストアップをどう捉えるか、どう補うかという視点です。
国は新築や既存住宅のZEH化を推進したいと考えています。
それを実現するために、様々な補助金制度や減税制度を用意しています。
ただし、これらの制度を利用するためには、自分から動く必要があります。
国から「あなたはこの制度を利用できますよ」と教えてくれることはないからです。
したがって、ZEH住宅の建築は、関連する補助金制度や減税制度に詳しい建築会社に依頼するべきです。
経験豊富な専門家の協力により、あなたのZEH住宅計画が現実的なものとなるでしょう。
そして、その結果として得られる長期的な光熱費ダウンや医療費低減、そして自然への配慮というメリットは、初期投資を上回る価値があると言えるでしょう。
ちなみに、ZEH関連の補助金は、国から「ZEHビルダー」の認定を受けた建築会社が提供する住宅しか申請できないものもありますので、ご注意ください。
発電量を増やすために、屋根の形状を工夫しよう
ZEH住宅を設計する際の鍵となるのが、自宅でどれだけエネルギーを生産できるかです。
太陽光発電の発電量が、その生産能力を左右します。
発電量が多ければ多いほど、ZEH住宅のメリットを最大限に引き出すことができます。
発電した電力の自家使用はもちろん、余った分は売電としても利用可能です。
このため、一日中太陽エネルギーを効率よく集められる屋根形状を考えることが必要です。
具体的には、南向きに大きな屋根を持つ形状が最適です。
これにより、太陽の軌道を最大限に利用し、多くの太陽光パネルを設置できます。
しかし、自宅の設計はあくまで環境に適応するものです。
地形や周囲の状況、風向きなど、様々な要素を考慮しなければならないため、一概に最適解が存在するわけではありません。
そのため、実際に建築を進める際は、専門家の意見を聞きながら最適な選択をすることが重要です。
まとめ:ZEH住宅はデメリット対策を実施してメリットを活用しよう
ZEH住宅は、その初期費用やメンテナンスコスト、そして住む地域による制約などのデメリットがあります。しかし、それらをきちんと理解して対策を講じることで、大きく軽減できます。
ZEH住宅は、省エネや体の負担軽減など、日々の生活を豊かにする要素が満載です。2030年には、ZEH住宅が標準となるでしょう。そういった視点からも、ZEH住宅を選ぶ意義は大きいと言えます。
本稿を読んで、ZEH住宅のメリットとデメリット、そしてデメリットの対策について理解を深めたことでしょう。あなたが住まい選びをされる際、ぜひZEH住宅も選択肢に入れてみてください。
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