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家づくりコラム
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2020.03.18
家庭用エアコンについて
これには、
省エネ性マーク
目標年度
省エネ基準達成率
通年エネルギー消費効率
これら4つの表示が掲示されています。
通年エネルギー消費効率はAPFと呼ばれていて、
1年間に必要な冷暖房能力を、1年間でエアコンが消費する電力量(期間消費電力量)で除した数値です。APFが大きいほど、省エネ性が優れた機器といえます。
このAPF の値が大きいほど、1の電気で処理できる熱量が多くなるので、車の燃費と同じように注意してもらいたい数値です。
次に、エアコンの能力はどのくらいにするべきか。大きなエアコンをドーンと1台置くのがいいのか。先走る前に、能力の大きさ別のAPF の値をチェックする事が重要です。
下のグラフを見ると、能力が大きい機種ほどAPF が低下している、つまりエネルギー効率が低いことに気が付くと思います。
実はエアコンの屋内機や屋外機のサイズは、能力の差ほどには変わらない、もっと言うと、ほぼ同じなのです。
車とは違って、5.0kW の機種が、2.5kW の機種より2 倍大きいわけではないのですよね。
特に屋内機は日本家屋の柱の間に収まるよう、幅800mm 以下に抑えられています。
自動車でいえば、全ての車種が「軽自動車」の車格に抑えられているようなものなのです。
つまり能力の大きいエアコンというのは、トランスミッションやタイヤといった「足回り」は軽自動車のままで、「エンジン」だけパワーアップしているようなもの。全体としてのバランスが悪いのだから、エネルギー効率が落ちても不思議ですね。
こうしたことを考えると、エアコンを選ぶ時には「小型の能力」の中から「APFの高い機種」を選ぶのがベストです。
もう1つのポイントは、エアコンがフルパワーで動く時間帯は、立ち上げ時などそれほど多くないのです。
ほとんどの時間帯はフルパワーの半分以下でトロトロ動いていて、ハイパワーのエアコンは、こうした低負荷時に効率の落ち込みが大きいのです。
「高回転型スポーツカー」で渋滞を走れば、悲惨な燃費になるのは容易に理解できますよね。
カタログには「木造6畳~鉄筋8畳」みたいに書いてありますが、そもそも築年数の古い隙間だらけの木造6畳と、断熱性能の高い新築マンションの8畳で同じスペックが必要なわけはないですよね。
他にも、部屋の向きや階数など、使用される環境で必要なスペックは大きく違うはずなのに、基準となる畳数表記がざっくりすぎます。
そもそも、この畳数表記のもとになる規格が、50年以上も前の東京オリンピックが開催された1964年に制定されて以降は改正されておらず、今どきの住宅性能とはかなりかけ離れた数値になっているのです。
なので、「8畳」と書かれていても、それはかなり余裕を持たせた「8畳」なのではないのです。
で、こんな便利なツールもあります。
電力中央研究所が作成した「エアコン選定支援ツール」というものが公開されています。
このツールは、居住地域や住宅性能、部屋の向き、階数、使用状況をもとに、最適なエアコンを選定できるというものです。
私も条件を設定して、シミュレーションしてみました。
南向き20畳
エアコンを使う時間などを設定して、、、
お勧め機種が表示されます。
高機能機で4.0kw 普及機で5.6kwと表示されました。
従来の畳数めやすを用いてエアコンを選定すると、現在の住宅の熱負荷値から求めたエアコンよりも過大な冷暖房能力の機器が選ばれ、消費電力量の増大につながることが指摘されています。
出典:電力中央研究所 『エアコン選定支援ツール「ASST」』
と明記されています。
エアコンを選ぶ時の参考になればと思います。
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