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2016.04.15

やっぱり地震大国日本

地震が少ない北九州の方々は、住宅の耐震化についての関心度はあまり高くありません。 耐震基準は、建物が地震の震動に耐え得る能力を定めるもので、関東大震災の次の年の1924年(大正13年)に、世界に先駆けて日本で施行されました。 1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され、新耐震基準が誕生しました。新耐震基準と旧耐震基準との違いについて、例えば、朝日新聞掲載「キーワード」では以下のようにまとめられています。 新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼がおかれた。旧基準の震度5程度の地震に耐えうる住宅との規定は、新基準では『震度6強以上の地震で倒れない住宅』と変わった。 旧耐震基準の建物は中地震に耐えるように設計されていましたが、大地震に対するチェックはなされていません(したがって、新耐震基準にあわせた耐震診断が必要となります)。一方で、新耐震基準以降の建物は、中地震に対して損傷しないことに加えて、大地震に対して倒壊しないことや、平面と立面的にバランスよくすること等が要求されています。 この1981年の大きな改正以外にも、地震の被害状況を鑑みて個別の改正や追加が度々なされています。例えば1968年十勝沖地震の被害を踏まえ、1971年(昭和46年)鉄筋コンクリート構造建物の柱帯筋の基準を強化したことはよく知られています。 耐震基準を正確に説明するのは容易ではありませんが、大まかに言えば、新耐震基準では建物が支える重さの20%以上に相当する水平力を受けても「壊れない」ように決められています。この水平力は、中地震に相当するものです。また大地震については、建物が支える重さの100%以上に相当する水平力を受けても「倒れない」ように決められています。

予想される大地震に対して

それでは、新耐震基準を満たしていれば、今後発生が予想される東海地震等に対しての耐震性は十分と言えるでしょうか? いいえ、耐震基準はあくまでも現時点の知見と技術レベルに基づいて決められた最低ラインに過ぎません。地震は複雑な自然現象なので、建物が絶対に安全ということは言えません。 新耐震建物と旧耐震建物の差は被害程度と被害確率の差です。例えば、阪神・淡路大震災の被害状況を見ると、旧耐震の建物は30%弱が大破以上の被害を受けたことに対し、新耐震の建物は数%にとどまっていました。 特に地震が起きる可能性の高い地域では、より高い耐震性能を確保することが求められています。 例えば静岡県では、上述した新耐震基準の1.25倍の耐震強度が要求されています。   この揺れでも、ほとんどの家は損傷を受けていません。 だから大丈夫!   平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災では、亡くなった方の約9割が建築物の倒壊や家具の転倒によるもので(グラフ(1))、そのうち現在の耐震基準(下記参照)を満たさない昭和56年以前の建築物に被害が集中していたことが明らかになっています   03_02 203_01 2 今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図です。   昭和56年6月以前に建てられた住宅が多い、空き家問題も含めて、住宅の耐震化は身近なところの問題だと、この地震を契機に、改めて考えさせられます。    ]]>

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